総合病院に勤務する内科医です。当院の産婦人科のドクターは、妊娠中も接種をむしろ勧めています。理由は、万が一罹患した場合の方が母子ともに受ける影響は大きいからです。妊娠中、あるいは妊娠が疑われる場合にインフルエンザに罹患した場合にはタミフルやリレンザの服用は控えなければならず、症状が重篤な場合には脳炎を発症することもあります。インフルエンザワクチンは生ワクチンではなく不活化ワクチンですので、実際にウイルスが体内に入るわけではありません。もし、心配するとすれば、蕁麻疹が出ているようですので、もしアレルギー体質の場合には副反応が出やすい可能性がありますが、過去に接種して問題なければ可能性は低いでしょうし、不妊治療中の接種はなんら問題ないと思われます。また妊娠後期には特に接種が重要で、万が一分娩時にインフルエンザに罹患した場合他の妊婦や新生児に感染したら大変なことになるので、分娩室での分娩ができなくなることもあるそうです。また、接種をしても罹患するから打っても無駄という方がいらっしゃいますが、決して無駄にはなりません。接種後罹患する可能性はありますが、その場合は症状がごく軽くすみ、検査すると抗体は陽性と出ますが、熱も低く、罹患期間も短く、脳炎になることもほとんどありません。きちんとした医学的なエビデンス無く、なんとなく怖いからと敬遠してしまう方も多いですし、ドクターの方も、ごく低い可能性の副反応を避けるために接種を勧めない場合があり、何とも残念なことです。安心して不妊治療を受け、その後の妊娠期間を過ごすために、是非今のうちの接種をお勧めいたします。（できればご主人様にも勧めてください）