母乳
●おっぱいはダンスのステップを覚えるように
●おっぱいのあげ方
●おっぱいをあげるタイミング
●げっぷ
おっぱいのお手入れ
働きながらの母乳育児(体験談)
ダイオキシンと母乳の問題
おっぱいはダンスのステップを覚えるように
「人間の赤ちゃんには、人間の乳」とよく言われます。とくに初乳(生後数日間に出る黄色っぽい乳)は、栄養価が高く、病原菌に対する免疫を含み、胎便を出す働きがあるともいわれています。
どうしても母乳の出が悪いという人は、ほんのわずかですが、最初の母と子のタイミングがあわないと、うまくいうものもうまくいかなくなってしまうことがあります。誰でも、ほおっておけば、母乳は簡単に出るというものではありません。初めての赤ちゃんの場合には、母親にとってもおっぱいを吸わせるのは初めて、もちろん生まれたばかりの赤ちゃんにとっては初めてのこと。
「おっぱいはダンスをするように、相手と練習を重ね、熟練していくもの」とも言われています。母と子が互いに初めての経験ならなおさら、初めからうまくステップが踏めるというわけにはいきません。練習と鍛練が必要です。
しかし、今の病院のシステムでは、赤ちゃんは新生児室で管理され、母親と赤ちゃんは授乳の決められた時間(3時間おき)にしか会えないというところが多い。赤ちゃんと母親が互いに慣れていないと、あるいはよく吸いつけない赤ちゃんだったりすると、しょちゅう赤ちゃんが泣いていることがあります。本当は、そういう赤ちゃんが泣いているときこそ、おっぱいのあげどきなのですが、授乳時間が決められていると、いつ赤ちゃんが泣いているのか、赤ちゃんの欲しがるタイミングがつかめません。母乳に慣れるのは、けっこう生後1週間くらいが決めてになることが多いもの。
ということは、母乳で育てたいと願うのであれば、出産する施設は、母子同室で、母乳哺育を推進している施設のほうが、あとあと楽です。入院中にうまくタイミングがとれないと、退院してから母子ふたりで、いきなり向かい合い「うまくいかないよー」と泣きたい気分になり、「やっぱ、無理なのかなあ」と早々にあきらめてしまう人もいます。
しかし、あきらめるのは、まだ早い。退院して、出産した施設で産後のおっぱい指導が受けられない人でも、おっぱいマッサージをしてくれる助産師が地域に必ずいます。助産師は、おっぱいの強い味方。出なくて困っているときも、出過ぎてパンパンに腫れてしまったときにも、助産師(babycom助産師情報)に相談してみましょう。マッサージをしてくれたり、湿布のし方を教えてくれます。
おっぱいのあげ方
おっぱいは左右、交互にあげます。片方だけあげていると、もう片方が出にくくなってしまいます。右からあげ始め、途中でタイミングをみはからって赤ちゃんを乳首から離し、赤ちゃんを抱きかえて、左をあげます。次のおっぱいの時間には、左からあげ始めましょう。
おっぱいをあげるときの姿勢にルールはありません。まず、母親が疲れないように、工夫しましょう。椅子に座って上げるときには、ひざの上にクッションなどえお乗せ、その上に赤ちゃんをのせて高さを調節すると楽になります。母親の足の下に足台をおいて、ひざの高さを調節することもできます。
赤ちゃんが少し大きくなったら、母親が寝た姿勢でもあげることができます。また、授乳中の赤ちゃんの抱き方も、いつも横抱きだけでなく、縦に抱いたり、小脇に抱えるフットボール抱きというのもできます。赤ちゃんの足を母親の背中のほうに向けて、頭を胸のほうにして、脇にかかえながらおっぱいを飲ませます。こうすると、乳首をくわえる角度が変わるので、乳腺への刺激も変わり、とくに乳首に傷ができてしまったときなどには効果的です。
おっぱいをあげるタイミング
泣いたらあげる。これが原則です。赤ちゃんが泣くには、それ相当の理由があります。だいたいはおっぱいであることが多い。赤ちゃんによっては、寝かせるとすぐ泣くという子もいます。そういう赤ちゃんは1日中抱いていなければならないこともあります。それができるのであれば、1日抱いているしかありません。でも、そのうちどんな赤ちゃんでも、飲むタイミングはつかめてくるし、赤ちゃんも落ち着いてきます。
げっぷ
赤ちゃんは、おっぱいといっしょに空気も飲み込んでしまいます。おっぱいを飲んだあと、そのまま横に寝かせてしまうと、飲んだ母乳を戻してしまうことが多い。そこで、おっぱいのあと、親の肩の上に赤ちゃんのあごをのせるようにして、赤ちゃんを縦抱きにします。そして、赤ちゃんの背中を下から上にゆっくり優しくなでます。そのうち、「ゲ〜ップ」と空気が出てきます。
げっぷはお父さんにもできる。おっぱいが終わったら、お父さんにバトンタッチしてげっぷさせてもらいましょう。なかなか楽しいものです。
でも、ときには赤ちゃんがうまく飲んで、げっぷが出ないときもあります。まあ、5分くらいして出ないときには、そっと寝かしてあげましょう。ほんの少し、口から母乳がだらだらと出るかもしれませんが、心配はいりません。
おっぱいの話.............その1
・生まれたらすぐおっぱい問題
・初乳
・母乳の中味
・入院中の授乳
・おっぱいのあげ方
・授乳時間
・抱き方の工夫
・陥没乳頭とへん平乳頭
・夜中の目覚めは授乳の準備
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おっぱいの話.............その2
・おっぱいと食事の関係
・入院中の差し入れにも注意
・和食で粗食
・おいしいおっぱい、まずいおっぱい
・マッサージを受けよう
・乳腺炎にはじゃがいもシップ
・おっぱいが足りているかどうかの心配
・舌小帯って何?
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おっぱいの話.............その3
アレルギーについて
・妊娠中に気をつけておくこと
・アトピーの赤ちゃんへの授乳
・食事を見直す
・牛乳神話
・除去食って?
・自分のうちのやり方で
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