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こんな産院あんな病院

明日香医院

院長:大野明子 産婦人科医師
東京都杉並区高井戸西2-16-29 Tel 03-3331-3001
診療内容/産科、婦人科(完全予約制)

アクセス/電車・京王井の頭線 高井戸駅下車 徒歩5分

ホームページ http://www.bh-asuka.jp/

取材/きくちさかえ 2001.7月掲載 2006.4月更新


杉並区の閑静な住宅街の一角に、おしゃれな落ち着いた雰囲気の建物があります。東京ではめずらしくなった栗林が目前に広がり、空が大きく見えます。木々に囲まれた庭に向かって、丸い木製の柱が二階の屋根までむき出しになっていて、木の温もりをいかしたつくり。住宅のようでもあり、コーヒーショップかギャラリーのようにも見えます。玄関脇のベージュ色の外壁には、「ASUKA」というサイン。実はこの建物は、明日香医院というお産の家。院長の大野明子医師が1999年にオープンしました。

明日香医院を開業する前、大野先生は2年間、自宅出産を介助する日本でただひとりの産科医でした。そのときの模様や先生のお産に対する思いは、著作『分娩台よさようなら』(メディカ出版)に詳しく書かれています。

敷地のおよそ3分の1の面積を占める贅沢な空間の庭には、四季おりおりに花の咲く木々が植えられていて、大野先生も花々がかいま見せる自然の移り変わりを楽しみにされているとか。庭の花々は、院内の花瓶に美しく活けられ、訪れる人たちの目を和ませてくれています。



明日香医院は外来診察室と、入院室が2室、分娩室が1部屋の、手術室のない小さな産院です。医師1人、助産師は6人。けれどそんなアットホームな空間は、むしろとても贅沢です。
そこでは、医師と助産師が親身になって産む人に付き添い、医療の介入をできるだけ控えた自然なお産が行われています。



明るい玄関を入ると、待ち合い室があって、外来があります。
外来にも自然なお産を提唱している院長ならではの心配りが随所に見られます。診察用の大きなテーブルやベンチ型の椅子はどっしりした木製家具。診察用の椅子も家具作家に特注したという、かわいらしいデザインです。
内診室は落ち着いた木の壁で、診察用の機具などは目立たないように、これも特注の家具におさめられています。
「訪れた人が緊張しないように、冷たい雰囲気にならないように、暖かい木の壁や家具を揃えました」と大野先生の心づくしがうかがえます。
医院の中心は、庭に面した広い居間。太陽が降り注ぐ気持ちのいい空間です。ここは、妊婦さんとその家族のための出産準備クラスや、産後の母親と赤ちゃんのためのベビーマッサージのクラスなどが開かれる団らんの場所。そのさらに奥に、分娩室と入院の部屋が続いています。


分娩室はフローリングで木の壁。天窓からは竹がそよいでいるのが見え、雨の音が聞こえる。この分娩室には分娩台がありません。床にふとんを敷いて、その上で自由な姿勢をして出産するのです。分娩室の隣にはお風呂場があり、陣痛の最中にお風呂に入ることもできますし、希望があればお風呂の中で赤ちゃんを産むこともできます。
トイレの便座に座って陣痛期を過ごす人もいるので、医師や助産婦がそばに付き添うことができるように、トイレも分娩室に隣接し、広くとってあります。

大野先生のポリシーは、自然に出産するために不必要な産科的処置をしないこと。
「自由な姿勢をすすめているのは、仰向けの姿勢がお産には不適切な姿勢だからです。仰向けの姿勢をとると重力の助けを借りることができませんし、骨盤も開きにくくなります。分娩台の上での仰向けの姿勢は異常が起こった場合に処置しやすい姿勢ですが、お産の生理には反しています。それによってむしろ異常を引き起こすことも考えられます」


明日香医院ハンドメイドの産着
医療で管理しようとせずに、医師と助産婦が終始見守ることによって、産む人を支え産む力を引き出す。それによって自然なお産が見えてくると、先生は言います。
「妊娠や出産、子育ては競争ではありません。ときにはとても手間や時間がかかることもあります。けれど、だからこそお産は魅力的なのかもしれません。それがいのちそのものの営みだからでしょう」
四季の移り変わりを映す庭と、自然な素材を活かしたお産の家。そこで自然のままのいのちが誕生してきます。


*明日香医院では、たくさんの数のお産をお受けできません。
お産のご予約が一定数に達した時点で、お産のお申し込みをお断りすることもありま す。
ご了承ください。

取材/きくちさかえ 2001.7月掲載 2006.4月更新


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監修/医学博士・産婦人科医師(故)進 純郎先生(監修当時)葛飾赤十字産院院長




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