こわい妊娠中の肥満・糖尿・高血圧は
シーフードで予防できる
マタニティの肥満、糖尿、高血圧はおそろしい妊娠高血圧症候群を引き起こす確率が高いといわれています。その予防や治療には医薬品を使うのではなく、食事によって予防したり、治療しようという考え方が広まっています。
つわりの時期も過ぎて食欲がでるにまかせ、高エネルギーの食べものを好み、また食べる量も必要以上に増えたりします。
胎児の成長のために、必須アミノ酸を含んだ良質のタンパク質や各種のビタミン、ミネラルを十分にとらなければなりませんので、食事の管理はなかなか大変です。昔は二人分食べなさいとか、また、油ものはいっさい食べてはいけないなどといわれました。
シーフードは血圧を正常化したりする機能がありますが、また、タンパク質をとるのに牛肉や豚肉を食べるよりも、魚介類は低いエネルギーなので肥満になりにくいことについては、すでにお話しました。
シーフードといっても魚料理は面倒という人にとって「すりみ製品」のかまぼこでも同じ効果があります。
肥満モデルや糖尿病モデルの実験動物のネズミを使った実験ですが、かまぼこは、お砂糖やブドウ糖の小腸からの吸収を抑制して血糖値の上昇をおさえることがわかりました。食事と一緒にかまぼこを食べることで食後の血糖値の上昇をおさえます。糖尿病やその予備軍の人々にとってうれしい結果です。また、すでにお話ししました通り、かまぼこには、ヒトに必要なアミノ酸のすべての種類が含まれています。
ただ、かまぼこ100g(板付きかまぼこの2/3、1cmの厚さに切ったかまぼこ9切れぐらい)には約1.5〜2gの食塩が入っています。ハムやソーセージ、チーズより食塩が低めですが、わざわざお醤油を付けて食べないことをお勧めします。
以上のかまぼこの糖類吸収の抑制については、以下の先生の研究発表(2004年11月10日)をご紹介したものです。
(文責/鈴木たね子)
「水産ねり製品の生活習慣病に対する作用の研究」
東京海洋大学大学院海洋科学技術研究科ヘルスフード科学 矢沢一良 先生、山口宏二 先生
働き盛りのお父さんには「イワシつみれ汁」で
生活習慣病を予防
生活習慣病の一つに心筋梗塞や脳卒中がありますが、40代の男性にこれらの病気で突然死亡したり、治ってもいろいろな後遺症が残り、せっかくの人生の花盛りの年をリハビリにあけくれている人もみられます。これらの病気の発症には、若い時からの食生活やストレスなどの生活習慣がかかわってきています。
動物性脂肪のとり過ぎ、油で揚げた食品のとり過ぎ、野菜と果物の不足、また、多忙のための欠食などが永年つづくと危険です。一週間に最低二回ぐらい、イワシやサンマ、サバ、ブリなどの背の青い魚の料理を食べましょう。といっても赤ちゃんのいる家庭でそんな料理を作るのは手がかかるかもしれません。超簡単な料理は、市販のイワシ団子やイワシのつみれ、入手できれば黒はんぺんなどを買って、大根、ねぎ、しょうがなどと一緒にイワシのつみれ汁(イワシだんご汁)にします。お好みで味噌仕立てにしても、澄まし汁にしてもどちらも美味です。
生まれながら血圧が高く脳卒中を起こしやすく作られた実験動物のネズミを使って、イワシすり身から作ったかまぼこを食べさせると、血圧の上昇がおさえられ、また血栓が出来にくいこともわかりました。イワシすり身の製品を食べさせたネズミの心臓血管系の測定で、 心筋梗塞を予防する効果があることもわかりました。その作用はイワシなど背の青い魚に含まれている脂肪酸のEPAやDHA、タウリンによるものと思われます。
イワシかまぼこの血栓予防、血圧上昇の抑制作用については、以下の先生の研究発表(2004年11月10日)をご紹介したものです。
(文責/鈴木たね子)
「かまぼこ製品の摂食による脳卒中易発症高血圧ラットの血圧ならびに脳卒中発症への影響」
神戸学院大学栄養学部 佐々木康人 先生、上番増喬 先生、野口孝則 先生
| あわせて読みたい
【妊婦ための食育】
栄養そして食生活を考え、何をどのように食べるのか、知っておきたいマタニティーのための食育。
|