噛むことと脳の発達....
幼児のおやつに「板付きかまぼこ」!?
今どきの子ども達は噛んで食べるものは苦手です。特に間食のおやつでは、シュークリーム、アイスクリーム、プリン、菓子パンなど甘味の強いフカフカのものが好物で、またお母さんも子どもが喜ぶフカフカ食品を与えます。
昔の子どもは「たくあん」をかじらされたり、するめをしゃぶらされたりしていました。噛むおやつといえば、いろいろなガムや、グミという固めのゼリーなどがあります。
ガムは噛むことに意義があり、栄養成分はありません。またグミは糖質以外の栄養素を期待することはできません。
噛むことは、脳の発達に大変重要なことです。弾力のあるかまぼこ、ガム、こんにゃくなど、よく噛む食品は自律神経系を刺激して、脳の血流量が増えるというヒトを使った研究発表があります。年をとって歯が少なくなり、硬いものが噛めなくなると、脳ヘの刺激が少なくなり、老人性のボケの原因なることも知られています。ヒトにとって、噛んで食べるということは、脳の発育、脳の活性化にとても大切なことなのです。
「かまぼこ」には、足(弾力)の強い製品や、はんぺん、つみれのように柔らかいものがありますが、脳の血流量を高めるには、板付きかまぼこのように足の強い製品がむいています。プリプリツルツルしていますから、三才ぐらいの小さい幼児は、誤嚥しないようお母さんが見ているところで食べてもらいましょう。
最近は子どもの喜びそうなキャラクタ-入りの板付きかまぼこも売り出されていますが、小さい時から本物の味を覚えさせるためには、上質の板付きかまぼこを奮発するのもよいでしょう。
板付きかまぼこは脳の血流量を高めるというメリットのほかに、良質のたんぱく質が豊富で、ヒトにとって大切な必須アミノ酸9種類をすべてもっています。
以上のかまぼこの咀嚼の話しは、次ぎの先生方によって平成15年度になされた研究の発表(2004年10月6日)をご紹介したものです。(文責 鈴木たね子)
「かまぼこ咀嚼時の血圧、心拍出量および脳血流量の変化」
国学院大学栃木短期大学 石山育朗 先生 東京慈恵会医科大学臨床検査医学 鈴木政登 先生
お刺身以上に消化が良い!?
幼児のおやつや食事にかまぼこを使うといっても、板に付いた紅白のかまぼこはとてもプリプリしていて、いかにも消化が悪そう。やはり心配で子どもに食べさせられないというお母さん方もおられるでしょう。
かまぼこ、肉、魚肉、卵などのようなタンパク性食品は、先ず消化管でタンパク質をアミノ酸にまで分解しそのアミノ酸が小腸から吸収されて、はじめて体の栄養になります。食べた食物がどのくらい消化されて、またどのくらい体に吸収されるかを、消化吸収率とよびます。
本来ヒトを使って測定しなければなりませんが、まずは実験動物のネズミを使って測定します。
また、大変簡単に知るためには、人体の消化酵素と同じ酵素を使って試験管のなかで食べ物を消化して消化率(吸収率はわかりません)を調べることが出来ます。
そのように試験管のなかでかまぼこを消化して、いろいろな食品の消化率と比較した研究が発表されました。
離乳食や幼児の食事にお母さん方は、白身魚の煮魚やムニエル、また白身のお刺身などもあげていると思います。それらは、畜肉と違って結合組織(一般にスジとか腱とよんでいる)が少なく消化性が優れています。また、板付きかまぼこをはじめ多くの水産練り製品は魚のスジの部分はとり除かれています。
さて、試験管のなかでお刺身やかまぼこの消化率を調べてみると、かまぼこをよく砕いたものでは、お刺身以上に消化が良く、包丁できざんだ程度では、お刺身と同じぐらいで、幼児に食べさせるのに十分に消化の良い食品といえます。
参考までにいろいろな食品のタンパク質の消化吸収率(実験動物のネズミによる)を文献から拾ってみると、マイワシ、サケ、マグロの赤身、イカ、タイ、ブリはいずれも生肉で平均99%と非常に消化吸収のよい食品ですが、畜肉、鶏肉は平均95%、おとうふも95%となっています。
野菜や穀類、海藻類は動物性の食品よりも消化はかなり劣ります。あのプリプリの板付きかまぼこが生鮮魚肉と同じぐらいの消化率ということは、安心して幼児に食べさせて良いことになります。
以上のかまぼこの消化率については、以下の先生の研究発表(2004年11月10日)をご紹介したものです。
(文責/鈴木たね子)
「かまぼこの物性と消化性との関係に関する研究」 近畿大学農学部 塚正泰之 先生