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不妊体験・不妊治療レポート
不妊を考える「ウノトリはやってくる?」


子どもを産むのはあたりまえのこと?
 鈴木良子さん(フィンレージの会会員)

不妊は病気?

いまどきの不妊

だれのための不妊治療?

なぜ子どもを産みたいのか

仲間同士の支え合い


 太古の昔から、女性は子どもを産むのがノーマルであると考えられてきました。それを裏返せば、産めない女性はアブノーマルだということになりますね。妊娠、出産できる人は健康で正常、だからできない人は病気。そういうふうに捕らえられていることは多いのではないでしょうか。

 ほとんどのドクターは、不妊症という疾患があるかのように“症”の字をつけて呼びますし、不妊の人たちにとっても「不妊症」という言葉は一般的になっています。けれど実際には、卵巣機能不全や卵管障害という医学上の診断名はあっても、不妊症という病気はないと私は考えます。フィンレージの会のスタッフの多くも、不妊というのは、妊娠しにくい、あるいは妊娠がうまくなりたたない状況であると考えています。

 出産が元来病気ではないように、不妊にも自然な不妊というものがあります。10組に1組は不妊カップルだと言われていますが、もともと人類のうち10%くらいは妊娠しにくいようにできているのではないでしょうか。下等な生物ほど不妊は少ないと言われていますが、人間は高度化された生物なので、不妊の割合は多くて当然なのかもしれません。 世の中には障害をもった子もいますし、不妊の人もいます。そうした人たちが、統計的に確実に何%か含まれているのが、人類の自然なあり様じゃないでしょうか。だから私は不妊はアブノーマルではけしてなく、人類のノーマルな姿のひとつであると考えています。

 私自身、育児雑誌のライターをやっていて、子育ての準備はいつでも整っていました。たくさん産んで、肝っ玉母さんになるだろうと思っていたくらいです。でも、そうした人生の設計はかないませんでした。なぜ私が?という思いはありましたが、たまたま私はその10人のうちの1人にあたってしまったというわけなのです。


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