不妊治療体験レポート
不妊だと自覚、あるいは認識するボーダーは
ここ10年、不妊治療を受ける人の数は確実に増えてきました。現在は「赤ちゃんが欲しい」カップルの10組に1組が不妊だとも言われています。不妊治療専門の産婦人科医の方々の中には、今後ますますその傾向は強まっていくだろうとの予測をたてていらっしゃる方も多いようです。
少子化時代とはいえ、赤ちゃんが欲しいと願っている人たちはたくさんいます。「赤ちゃんって、避妊しなければすぐにできるものじゃなかったの?」という驚きを感じている人も少なくないはず。だからこそ、避妊をあんなにきっちりやっていたのに。あれはなんだったのか?
子どもは欲しいと思っていても、毎日忙しくしていると、なかなか妊娠に踏み切れないという人は多いもの。妊娠、出産は、仕事や自分のやりたいこととのバランスを考えるとリスキーに感じられますし、いわんや子どもができればもっと手がかかる。仕事とのバランス、自分の人生や家族の中での子どもの位置についても、考えなければなりません。
子どもがいてもいいなと思って避妊をといてから、なかなか妊娠しない人もいます。なんで? これって不妊?
あまり考えたくない言葉です。「検査をしたほうがいいのかな?」。産婦人科の門を、妊娠ではない違う理由で叩くのは、気がひけるし、勇気がいるもの。はたして、どこで不妊と自覚するのか。それは大きなボーダーでもあります。
一般的に、産婦人科では、赤ちゃんが欲しいカップルが避妊をせずに2年くらいたって妊娠しない場合を「不妊」と呼んでいましたが、最近は妊娠年齢が高齢化したことなどから、1年ほどで治療に踏み切る人も多くなってきたとか。1年は長いか、短いか?。セックスレスも多い時代、排卵とのタイミングが合わずになかなか妊娠しないケースもあります。
「不妊かも?」のボーダーを、どのように考え、乗り越えていくのか。その先に広がっているものは? はたしてコウノトリを、ナビゲートできるでしょうか。
不妊治療体験レポート
aさん/ニューヨーク在住 プレマタニティ
bさん/結婚10年目で子どもを欲しいと思うように
cさん/結婚2年目 33才で治療をはじめ36才で妊娠
ビギナーのための「不妊検査と治療法」
不妊の原因|精子の検査|治療法のインフォームド・チョイス
by 石原 珠紀 産婦人科医