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ロサンゼルスのお産事情(3)
Discharg
病室に産婦人科の先生が、出産後と、翌日2回チェックに来てくれますが、特に異常がなければ簡単に問診する程度です。
こちらでは、特に必要がない限り出産後24時間以内に母子ともに退院です。これは日本と大きく違う点です。背景として健康保険が一日分の滞在しか保障しないということに基づきます。こちらの人は慣れたものなのか、中には翌日退院するときに、自分で赤ちゃんを抱いて車まで歩いていき、しかも自分で運転して帰宅する人もいるとか。アメリカのお母さんはタフです。
私の妻は車いすで病院の出口まで送ってもらいその後車で帰宅しました。妻の友人で日本で出産経験のある友人たちは、翌日退院という話をすると非常に驚き同情を示しました。それだけ体が大変なのであろうということは簡単に想像されますが、妻は初めての経験で比較のしようがないということもあるせいか、意外に淡々として退院し、翌日からは痛みを感じる暇もなく、育児の方に気をとられていたようです。彼女によると「翌日退院」は予想していたほどハードなことではなかったということです。
小児科
小児科も専門医となります。出産した病院で小児科の先生を紹介してもらうかあらかじめこちらで小児科の先生を決めておきます。
私達は保険の関係で予め決めるのではなく、病院から紹介してもらいました。
こちらの育児のしかたは日本とはこれまた随分異なるようで、授乳に関しては例えば3時間おきに厳しくしつけ、夜はどんなに泣いても決してミルクを与えず泣かせるままにしておく、もののようです。1週間もこれを続ければ赤ちゃんは夜ずっと通して眠ってくれるようになるというのが、説のようです。日本の育児書などとは随分違った、ダイナミックなアプローチだと思わされます。
すべての人たちが、そうしているわけではないでしょうが、ドクターからはそのようにしつけると夜泣きもなくなるとアドバイスされ、アメリカの知人らは、やはり夜は泣かせてしつけをしたということです。
因みに私たちは、こういったドクターのアドバイスや、知人の話に対し、日本の両親に意見を求めたりしました。
妻は日本的意見(授乳は3時間おきに24時間体制で臨む)を主張し、私はアメリカのドクターのアドバイスを実践してみては、という意見でした。結局、母親たちに夜通し泣かせっぱなしにしておくのは、良くない、かわいそうという意見に圧倒され、今は夜中も起きて授乳をしています。
どちらが良いか...というのは、赤ちゃんにもよるでしょうし、判断は家庭でするしかないと思われます。赤ちゃんをしつけるというアメリカ的発想は赤ちゃんのためというよりは、育児をしている両親の生活のリズムや体調などを考慮した上で成立したもののような気がします。こちらでは両親共働きが多いので、夜通し赤ちゃんの面倒を見るのは大変だということでしょうか。
掲載:1997年