環境危機で変わる子どもの生活1
地球温暖化はどこまで進む? 生活はどう変わる?
取材協力/鮎川ゆりか(WWFジャパン 自然保護室・気候変動特別顧問)
2007年8月掲載(専門家のプロフィールは掲載当時)
地球が温まっています。2007年の夏は、国内の最高気温が40.9℃と74年ぶりに更新され、熱中症で亡くなる人が相次ぐなど、記録と記憶に残る猛暑でした。ここ数年、熱帯夜や猛暑日が増え、台風の上陸が多い、雪が少ないなど、大きな環境の変化を感じている人も多いはずです。「地球温暖化」…今、私たちは地球が始まって以来の未曾有の危機に直面しているのです。
子どもたちが成長する今から10年後、20年後の世界は、いったいどのような環境になっているのでしょうか。今よりますます暑くなる? 子どもたちの健康や生活環境は守られるの? 私たちはこれから何をすればいいの?
第1回は、地球温暖化についての科学的知見についてまとめたIPCCの第4次評価報告書を読み解きながら、今、地球に何が起こっているのか、今後数10年でどう変化していくのかについて、環境NGO・WWFジャパンの気候変動特別顧問の鮎川ゆりかさんにお話をうかがいました。
PART 1 今、地球で起きていること
ここ数年、夏になると必ず「今年は異常気象だ」と感じるほど、水害、台風、猛暑などの大きな気候変化が起こっています。2004年は台風の上陸が過去最高となる10回。また、2005年は東京都心で最高気温が39.5℃となるなど、記録的な猛暑の年でした。あまりにも暑い日が増えたため、今年の4月には気象庁が用語の改定を行い、夏日(1日の最高気温が25℃以上)、真夏日(同30℃以上)に加え、新たに35℃以上の日を猛暑日と定義しました。2006年までの10年間で、東京、名古屋、大阪、福岡での猛暑日は合計335日。これは、30年前の3倍以上の数字です。
グラフ1:過去150年間の気候変動
出典:IPCC第4次評価報告書第1作業部会 白線は10年平均値、白線の周りの幅は不確実性の幅を示す
『気候変動+2℃』
山本良一=責任編集 Think the Earth Project編 ダイヤモンド社
右ページには気温の変動に伴う地表の色をシミュレーションした世界地図。パラパラめくると1950年〜2100年までの地球の変化がよくわかる。地球温暖化についてのエッセンスをコラムやキーワードにちりばめ、誰でも直感的に現状と未来を知ることができる。
世界50カ国以上に拠点を置き、100を超える国々で地球規模の活動を展開しているNGO。
環境省(地球環境・国際環境協力)IPCCの評価報告書や地球温暖化に関する行政資料をダウンロードできる。
ナショナルジオグラフィック(地球からの警鐘)温暖化問題に限らず、世界中の環境問題について写真とともにグラフィカルに紹介。
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