わが子のペースで考える離乳食レッスン

離乳食レッスン
赤ちゃんの自分で食べる意欲を育てる

「手づかみ食べ」のススメ【2】

「ちょうだい」と手を出したら始めよう!

「手づかみ食べ」は最初の食育

手づかみでは、行儀が悪い?


(文:小野田レイ・掲載:2014年4月)

●●● 「手づかみ食べ」は最初の食育


赤ちゃんのころから食事に興味が持てるようにするには、離乳食のころから「食育」を実践することをお勧めします。

それはとても簡単なことで、とにかく赤ちゃん自身で食べてもらうことです。とはいえ最初から汁物やお粥は食べられないので、「 きほんのレシピ帳」で紹介したように、根菜を食べやすい大きさに薄くくし切りにした煮物を、「ちょうだい」と出した手に渡したり、お皿に盛ってあげると、自分で手のひらをパーにして握って食べ始めます。

最初はこぼすほうが多く、テーブルも洋服もぐちゃぐちゃになります。下手をすると床まで汁ものが散乱します。赤ちゃんの髪の毛にまでご飯粒がつく始末です。
お母さんがスプーンできれいに食べさせることは簡単ですが、ここであきらめては赤ちゃんの食べる能力が育たないので、じっと我慢します。

お母さんたちのいろいろな工夫

この手づかみ食べを多くのお母さん達に勧めているうちに、お母さんたちからいろいろな工夫がフィードバックされてきました。
例えば、床が汚れるので、あらかじめビニールシートや古新聞を敷くというお母さんもいます。特に古新聞はそのまま捨てられるので便利です。もちろん、洋服は汚れてもいいもので、大き目のビニールエプロンをする。食べ終わったら赤ちゃんをシャワー室へ連れて行き、洋服ごと洗濯するなどです。
ちょっと面倒かも知れませんが、とにかく食べている赤ちゃんに手を差し伸べないことが大切です。赤ちゃんは自分で食べることで、食事のおいしさや楽しさを実感します。

食事をすることに少しずつ慣れてくると、赤ちゃんはこぼさなくなります。そして自分で食べる意欲が出ますので、ながら食べのように他のことに注意が向かず、食事に集中します。
手づかみ食べを勧めて20年近くたちますが、お母さんがスプーンで食べさせていたお子さんより食べこぼしが少なく、箸も早くから上手に使えるようになったと、お子さんが2〜3歳になったお母さんから多くの報告をいただいています。

離乳食アイコン-babycomPoint レッスン3のポイント

1.赤ちゃんが「ちょうだい」と出した手を払わない。
2.赤ちゃんが食べ物で汚しても、じっと我慢しよう。
3.どうしてもお母さんが食べさせたいときは、2人羽織のようにして与えよう。
4.薄味を付ける。

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