6.バイオレンスの悲しい話
春は、植物や木の芽がめぶくとき。ネコにとっても恋の季節です。人間だって、冬眠から覚めるように、からだが活発に動き出します。花粉症やアレルギーも、そうした反応のひとつ。
気持ちのいいうららかな日に、春を感じながら、外へ出て散歩をしたり、からだを動かしたりしてみましょう。おなかの中の赤ちゃんといっしょの、最初で最後のお花見も。
マタニティ・クラスの方ではありませんが、知り合いの妊婦さんが、先日入院しました。お見舞いに行くと、顔がひどく腫れていました。
なんと夫に殴られて、血だらけになって救急車で運ばれたというのです。しかも、場所は夜の駅。階段からつき落とされ、階段の下でさらに殴られたとのこと。彼女は、夫に殺意を感じたと言います。
救急車を呼んだのはさすがに夫でしたが、それまでも夫からは言葉の暴力を受けていて、彼女は怯えていたのだそうです。
おなかの中の赤ちゃんが無事だったのは、不幸中の幸いですが、今後のことを考えると彼女はまだまだ不安だと言います。
21世紀という新しい時代になっても、暴力は世界に絶えません。もっと人間はかしこくなったと思っていたのに、まだ昔のままなのでしょうか。それとも、闘争に向かわせるエネルギーは人間の本能なのでしょうか。
赤ちゃんは平和そのもの。そんな赤ちゃんたちの世界を壊したくありません。
マタニティ・クラス 『Tea for You』
第6回 2003.4掲載