babycom Working Father
男の産休
妊娠・出産という大仕事を終え、ほっとするのもつかの間。家に帰れば、新生児相手のまるで嵐のような子育てが待っている。
泣く子をなだめる術もまだ知らないというのに、山のような洗濯物をやっつけ、我が子のために部屋を清潔に保ち、自分たちの食事の用意をし、そのうえ授乳→オムツ替えの繰り返しが真夜中も続く。.......産後の体を休めるヒマもない。
だから、床上げまでは実家に帰る、という人が多いのだが、本当のところ、いちばんの「協力」と「理解」を求めたいのは、他でもない夫=「パートナー」なのだ。
効率だけを考えたら、祖父母に手伝ってもらうのが一番なのかもしれない。だけど、子育ては仕事とは違う。効率よりもっと大切なことがたくさんある。
0ヶ月の赤ちゃんというものは、とにかくすごいパワーをもっている。この時期の我が子を父親として見逃してしまうのは、なんとももったいないことだと思う。「あくびした」「笑った」「じーっとみつめた」なんて、他人が聞いたら他愛ないことでも、二人で感動を分かち合える。
そして、この一番たいへんな時期を経験することで、自然に育児のノウハウが身に付き、妻に指示されなくても、何をすればいいか自然に分かってくる。
しかし、子どもが産まれる前と変わらず仕事をこなしながら、産褥期の妻と0ヶ月の赤ん坊の世話をすること、はかなり体力的にも精神的にもきついはずである。
産後の女性というものは、体内でホルモンの働きが激変しているうえ、慣れない育児に不安を覚えたりするため、精神的にかなり不安定で、扱いにくい。
何気なく発した一言に深く傷ついたり、ときには泣いたりわめいたりしてしまうこともある、いわゆる「マタニティブルー」である。
特に、今までバリバリ仕事をこなしてきた女性は、理不尽な要求を突きつけてくる我が子に「こんなにも時間が自分の思いどおりにならないなんて!」と、やるせなくなることが多いようである。
そんな妻の状態を理解するためには、パートナーの方にも時間と気持ちの余裕がないと難しい。
何よりも、我が子との生活のはじまりという大事な時である。
そこで.....
男の産休
いっそのこと、「産休」をとってみてはどうだろうか。
育休をとるのは難しい会社でも、産休なら不可能ではないか。
入院している1週間は、病院のスタッフがめんどうを見てくれる、それほど手伝いは必要ではない。この間に前倒しで仕事をやっつけて、退院してから床上げまでの2週間、仕事を休む。
2週間、である。規定の産休プラス有休でなんとかなりそうだ。
我が子を迎え入れ、新たな家族形態のスタートとなるこの時期。
たったの2週間。
振り返ってみれば、それこそ宝のような2週間となるに違いない。