快適な妊娠生活、そして出産・育児に備えて、今のうちに体を整えておきたい…。
そう願うプレマタニティのために、東洋医学の知恵に基づいた季節ごとの養生法、体のバランスを整える食生活、ストレスのコントロール方法などを伝授します。


東洋医学の知恵袋-1

ダイエットは、
自分のカラダに適した方法を


夏が近づく時期、秋、雑誌は一斉にダイエット特集を開始し、ドラッグストアの店頭には、痩せるお茶やスリミング化粧品が所狭しと並ぶ。
しかし、この恒例行事がいつになってもすたれないのはなぜなのだろう。もし、ちゃんと痩せることができたのなら、ダイエット商品はもはや必要はないはずである。とすれば…。

一度でも本気で痩せたいと思った人なら分かると思うが、ダイエットの成功率というものは限りなく低い。努力をしている最中はまだいいのだが、いったん気を抜くと、必ずといっていいほどリバウンドする。
体質に合わないダイエット法を長く続けたり、過激なダイエットを繰り返していると、徐々に体にひずみが生まれて、逆に太りやすい体になってしまうことがある。せっかくの努力が水の泡になるどころか、脂肪になって戻ってきてしまうわけだから、これは相当怖い。

もうひとつ、プレマタニティにとってかなり気になることがある。間違ったダイエットによって生じた体のひずみが、不妊の原因になることも少なくないらしいのだ。「やせたのはいいけれど、最近どうも生理が不順」「月経痛がひどくなったみたい」などと感じている人は、早めに専門医のチェックを受けてみたほうがいいかもしれない。


体に負担をかけずに痩せるためには、いろいろな商品に手を出す前に、自分の体質や太り方をきっちり把握しておくべきだと思う。

まず、固太りで、食欲旺盛、成人病の傾向はあるけれど、おおむね元気で、体の熱があり余っているようなタイプ。こういう人の多くは、食べすぎと運動不足が原因なので、その帳じりを合わせることが基本だ。食事で気をつけたいのは、脂っこいものはもちろん、香辛料もできるだけ避けるということ。ちょっと前に、「唐辛子ダイエット」というのが流行ったけれど、このタイプには絶対に不向きである。

逆に、ぷよぷよとした「水太り」傾向の人なら、唐辛子も悪くはない。唐辛子は、胃腸を温め、代謝を活発にするので、太っているのに冷え性という人なら向いているのではないかと思う。ただし、刺激物ではあるので、摂りすぎにはくれぐれもご注意を。
水太りの場合、固太りの人と違い、体が重くて疲れやすく、たいして食べないのに太るという傾向がある。これは、胃腸の消化・吸収力が弱いために起こる症状で、食べたものをうまくエネルギーに転化することができず、体の中によぶんな物質(つまり、肥満の原因)がたまりやすくなっているのだ。
これを防ぐためには、まず、自分の胃腸のキャパシティを知ること、それから、1種類のダイエット食品を毎日大量に摂り続けたり、サラダを主食にするといった極端な食生活は避け、胃腸を丈夫にする穀類や豆類、根菜などを中心に食べることが大切だ。


妊娠中や産後にけっこうトラブルが起こりがちなのが、「親知らず」。親知らずは食べかすがつまりやすく、磨きにくい場所にあるので、どうしても虫歯にもなりやすい。自覚症状がなくても、歯のケアを怠りがちな妊娠中〜産後に進行して痛みだす…ということも、けっこう多い。

妊娠中でも抜歯できないこともないが、親知らずの抜歯は、肉体的・精神的な苦痛を伴うことも多いので、過去に一度でも痛んだり、歯ぐきが腫れたりしたことがあるのなら、妊娠前に抜いておいたほうが無難。
それから、「私は親知らずがないから大丈夫」という人も、注意が必要。いちばんやっかいなのは、生えていないのに痛む親知らずなのだ。
もちろん、完全に歯肉内か骨の中に埋まっている親知らずを無理して抜く必要はない。でも、その判断は自分ではできないので、一度は歯医者さんでみてもらうべき。
もし、歯ぐきの下で、親知らずがいちばん後ろの奥歯の根っこを押しているようなら、やはり抜歯が必要なのだけれど、生えていない親知らずを抜くのはけっこうたいへんなこと。あごの骨を削ったり、全身麻酔が必要だったりする場合もあるので、大学病院での処置が必要になる。とても、妊娠中に処置できるようなシロモノではない。

by 高島系子 2000-2002

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東洋医学の知恵袋

1.ダイエットは、自分の体に適した方法を

2.知っておきたい、妊娠中の花粉症対策

3.梅雨〜夏は、水分のとり過ぎにご注意

4.「冬仕様」の体に、負担をかけない

5.調味料を薬膳的に使い分けてみよう



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