銅は足りていますか?
妊娠時の貧血の大部分は鉄欠乏性貧血です。
この予防や治療には鉄を多く含む食品のほか、たんぱく質、ビタミン Cも必要であることをすでに述べました。しかし、妊娠貧血者にたいして鉄や、たんぱく質、ビタミンCの摂取を栄養指導しても予期したほどはかばかしい効果をあげないという報告が多く、研究の結果、銅も必要であることがわかりました。肝臓に蓄積された鉄は銅がないと利用することが出来ません。銅は血液中のセルロプラスミンというたんぱく質を増加して肝臓の鉄を動員し血液にいれます。
しかし一体銅などという金属が食品のなかに含まれているのでしょうか。私たちは時として古い銅の食器にみられる有毒な緑青を思いだして、銅などを食べても良いのかしらと心配してしまいます。
勿論多量の銅を摂取すれば中毒を起こしますが、食品に含まれている銅は微量でいくら食べても中毒にはなりません。日本人の日常の食事では一日1,6から2,5mgぐらいを摂取しています。
銅が多い食品は、かき(貝)、ごま、かに、えび、大豆、納豆、牛肝臓、腎臓、豚腎臓、あさり、はまぐり、いか、まいわし、かつお、等です。
妊娠貧血を予防する献立例
えびピラフ、かつおのハンバーグ、レバーやきとり(一人分1本)、サラダ、デザートにいちご
えびピラフ
●材料(4人分)
米 2カップ、A(水2と1/5カップ、コンソメ4g、塩、こしょう少々、えび中サイズむき身10尾、たまねぎ1/2個、バター大さじ1と1/3、パセリ少々。
●作り方
1.米は炊く1時間前にといてざるにあげ、水気をきる。
2.えびは塩水で軽く洗う。
3.たまねぎはみじん切りにする。厚手のソースパンを火にかけてバターをとかし、たまねぎをすきとおりまで炒めたら、えびをいれてさっと炒める。
4.次に米をいれて良く炒め、米が熱くなったらAを加えて炊く。
5.炊き上がったら器に盛りパセリをちらす。
かつおのハンバーグ
●材料(4人分)
かつお(たたき用)320g, おろししょうが1片、長ねぎ1本、 卵1個、えのきだけ1袋、バター大さじ1.5、サラダ油大さじ1、 A(ケチャップ大さじ2弱、醤油大さじ1と
1/3、バター小さじ2)、マヨネーズ大さじ3弱、塩、こしょう適宜
●作り方
1.かつおは、しょうが、長ねぎといっしょに細かくたたく。
2.1に卵、塩、こしょうを加えてよく練り、ハンバーグの形にまるめる。
3.えのきだけは根元を切り落とし、バターで炒め、塩、こしょうで味をととのえる。
4.フライパンにサラダ油を熱しかつおのハンバーグをいれ、両面にきれいな焼き色をつけたら、蓋をして弱火にし蒸し焼きにする。
5.ハンバーグを焼いたあとのフライパンにAをいれ、少し煮立てソースをつくる、
6.ハンバーグとえのきだけを皿に盛りつけソースをかけ、マヨネーズを添える。
(以上献立例は『魚とつきあう健康法ー現代海洋薬膳のすすめ』鈴木たね子、大野智子著、農文協1997年を参照)