赤ちゃんの発達よりも先回り!
カンタン&安全DIYで事故を未然に防ぐ
転倒や転落、誤飲、やけどなど、子どもに多い家庭内で起こる事故についてこれまでに取り上げてきました。
シリーズ第5回で取り上げるのは、これらを防ぐためのカンタンDIY。
家のなかの場所別に、どんなところにどんな手を加えればいいのかをご紹介します。
赤ちゃんの発達よりも先回りをして、
積極的に対策をとることで悲しい事故を防止できます。
そのためのひと仕事を、今週の週末にあててみてはいかがでしょう。
火や刃物などの危険がいっぱいのキッチン
中に入れないことが基本対策
「キッチンは乳幼児にとって、もっとも危険な場所のひとつ。月齢6ヶ月から1歳半にかけての事故が多く、特に保護者が台所にいるときに起こりやすいことがわかっています」とセキスイハイム住宅技術研究所の植竹篤志さん。
食事の支度をする母親のそばで遊んでいる間に火や刃物で事故を起こす、というのが多いよう。
台所で発生した乳幼児の事故の内訳を見てみると、やけどが約4割、包丁による刺し傷・切り傷が2割弱、打撲、異物誤飲がそれぞれ1割程度(出典:新子供の事故防止マニュアル 診断と治療社 国立公衆衛生院母子保健学部長 田中哲郎著、2000年)を占めており、キッチンで起こる事故の多さを物語っています。やけどは調理中や食卓上の鍋ややかん、ポット、炊飯器、魚焼きグリルなどに触れることで起こっています。
キッチンにはこのように、やけどの原因となるものが狭い場所にたくさんあり、子どもが触れないようにすることが難しいもの。そのため、キッチン内には子どもを入れないようにする対策をとることが一番安心できると言えます。
「キッチンの入り口にベビーフェンスを設置して、中に入れないようにする。そのうえで、やけどの原因となるものはなるべく手の届かないところに置く工夫を。炊飯器や電気ポットなどは高いところに置いても、コードが垂れ下がっているとそれを引っ張ってしまうケースがあるので、見えにくいところ、触りにくいところにコードストッパーなどを用いて固定しましょう。包丁や洗剤をしまってあるところや冷蔵庫など、開けて欲しくない収納扉には市販のドアロックを設置して」と植竹さん。
包丁や誤飲すると危険な洗剤は手の届かないところに置くのが一番ですが、狭い日本の住宅事情では難しいことも。そういったときはこうした
市販の商品を上手に利用して対策をとりましょう。キッチンのつくりでいえば
「作業をしながらリビングにいる子どもの様子を見られる、対面式がおすすめ」と植竹さん。
また、赤ちゃんをキッチンに立ち入らせないことが基本とはいえ、後追いの時期には難しく、食事の支度をしている間泣かせておくというのもお母さんのストレスに。そんなときにはおんぶをしてしのいでみては。
赤ちゃんもお母さんの体温が感じられる上、水音や野菜を刻む音を楽しめるので機嫌よく背中で待っていてくれます。ただし、手を伸ばしてお鍋にいたずらをしないよう、気をつけることを忘れずに。また、赤ちゃんがお昼寝をしている間に調理の下ごしらえをすませておくことも事故防止の一助に。
1歳を過ぎれば少しずつ一人遊びもできるようになってくるもの。下ごしらえを済ませておけば、仕上げの支度をする前に興味をひきそうなおもちゃを渡して、遊んでいる間に手早く食事の用意をすることもできますね。