1メートル以下に飲み込めるものをおかない
誤飲の危険を回避するためには、低い目線でチェックして
「危険を回避するためのチェック法として、まずは座って家のなかをぐるりと眺めて見ましょう。低い目線でチェックして、赤ちゃんの手の届く範囲に危険なものがないかどうか、飲み込む大きさのものがないかどうかを確かめることからはじめてください。
アメリカでは、赤ちゃんが過ごす室内では1メートルより低いところに飲み込む危険があるものはおかない、ということを指導しています。床座と椅子座が混在している日本でもほぼこれに倣ったほうがよいでしょう」とセキスイハイム住宅技術研究所の植竹篤志さん。
誤飲しやすいものは、先にあげたもののほかにもおもちゃ、電池、硬貨、洗剤、薬、化粧品など。これらはきちんとしまっておく場所を決め、手の届く範囲には置かない工夫を。
なかでも、最も気をつけてほしいのがタバコです。東京消防庁の調べでは、平成13年中に異物・誤飲を原因に救急車で搬送された総人数2847人のうち、2歳以下の赤ちゃんが1174人と、約4割を占めています。そのなかで、最も多かった事例がタバコの誤飲で、全体の2割をしめています。タバコは毒性が高く、最悪の場合は死亡につながることも。赤ちゃんにとっては、タバコ一本が致死量に当たります。灰皿などに火消しの水が入れてあってそれを飲んだ場合は、ニコチンの吸収が早いので特に危険です。
「両親ともに喫煙習慣がある家庭の子どもは、アレルギーの発症率が2割アップするという話もあります。そうした副流煙の害を考えると、赤ちゃんを迎えるにあたってタバコとのつきあいかたを考え直す必要があるのではないでしょうか」
「タバコは家のなかで吸わないと決める。座って手に届くところには置かないなど習慣を変えてみては。また、床に置いた上着やかばんのなかに入れておいたタバコを、赤ちゃんがいつのまにか取り出していた、というケースも。家のなかに入るときは玄関でタバコを取り出し、赤ちゃんの手の届かないところへ置いておくなどの工夫を。なお、現在では、誤飲チェッカーというものが市販され、赤ちゃんが飲み込む可能性のあるものが簡単にチェックできるので利用してみるのも事故予防につながります。」
(参照:社団法人 日本家族計画協会)
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おもちゃをなめる、
口に入れることで発生する見えない危険
おもちゃもまた、赤ちゃんが口のなかに入れることが多いものの一つ。赤ちゃんの誤飲事故のうち、たばこの次に多いのがおもちゃ類です。赤ちゃんはおもちゃを触ったり動かしたりするだけではなく、口に入れて感触を確かめたりすることも大好きなのです。
このおもちゃに関しては、飲み込まない大きさなら大丈夫、というわけにもいかないよう。というのも、環境ホルモンに曝露する危険性があることが、近年わかってきたからです。
東京都の衛生局が2000年に発表した「おもちゃ等に含まれる内分泌かく乱化学物質調査」によれば、ポリ塩化ビニール製おもちゃ22種類のうち、21種類から環境ホルモンの疑いがある化学物質が検出。同局の実験により、人口唾液にポリ塩化ビニールからの化学物質が溶け出すこともわかりました。
発達途中にある赤ちゃんの化学物質に関する感受性の高さについて、ベビーコムではこれまでに数回にわたって取り上げてきました。おもちゃを選ぶときには材料の表示をチェックし、材質がはっきりと明記してあるものを選ぶようにしたいものです。
※関連情報:babycomエコロジー特集3「子ども環境問題」