家の中の危険度チェック!【誤飲】

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第3回

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家庭内での誤飲を防ぐテクニック【3】

取材協力/植竹篤志さん(積水化学工業株式会社 住宅技術研究所) 協力/飯田みどり先生(小児科医) 2005年8月掲載・2017年11月再編集(専門家のプロフィールは取材当時)

赤ちゃんを迎える前に、知っておきたい誤飲の危険

1メートル以下に飲み込めるものをおかない

もし誤飲がおきたら?飲んだもの別対策法



もし事故が起きたら 、飲んだもの別に対策を

家のなかは常に整理整頓して、子どもの手に届くところに誤飲の原因となるものは排除すること。しかし、それを徹底していても、もしも事故が起きてしまったら?

そんなときの対策法も知っておきましょう。

まずは、何をどれくらい飲んだのかを把握すること。必要であれば水や牛乳を飲ませて毒性を弱めます。しかし、殺虫剤や灯油を飲んだときは体内への吸収を早めてしまうので、これらのものを飲ませることは禁忌。また、喉の奥を刺激して吐かせることもありますが、意識がないとき、吐いたものがのどに詰まるとき、肺や喉を傷つける酸や弱アルカリを含む製品、石油を飲み込んだときは吐かせるのはNGです。これらの応急処置後、飲んだものを持って医療機関を受診します。
このように、飲み込んだものによって、対策法は変わってきます。予備知識としてきちんと把握しておくことで、いざというときに慌てず、被害を最小限に抑えることができるでしょう。次の表は飲み込んだもの別の対策方法をまとめたもの。いざというときの対策として役立ててください。

また、日本救急医学会が中心となって運営している(財)日本中毒情報センター(http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf)では、化学物質や動植物によって起こる中毒についての治療に必要な情報の提供や、一般の人からの問い合わせに対応しています。日頃からこうした情報提供の場をのぞき、予備知識を仕入れたりすることも、いざというときの備えとなるでしょう。

原因症状対策法
●タバコ顔色が悪くなり、嘔吐、腹痛、下痢、脈が速くなるなど。意識がなくなったり、けいれん、呼吸障害を起こすことも。乾いたタバコを2cm未満ほどの少量食べた場合、吐かせて大部分を吐き出した場合はその後の数時間、様子をみる。4時間以上経過して異常がなければ安心できる。少しでも異常がある場合、タバコがひたっていた水を飲んだときはすぐに受診を。
●灯油口内、のど、胃が熱くなり、嘔吐、下痢、咳き込み、頭痛などを起こす。飲み込んだ場合は吐かせずにすぐに受診。少量をなめたり、蒸気を吸い込んだ場合は24時間様子をみる。異常があったらすぐに受信。
●芳香剤吐き気、腹痛など。少量をなめた程度なら水か牛乳を飲ませて様子をみる。液体を大量に飲んだ場合は吐かせる。現物を持って受診する。
●肥料・植物活力剤嘔吐、腹痛、顔色が悪いなど。成分の薄いものなのでほとんど心配はありません。様子をみて症状がある場合は受診を。
●ボタン型電池すぐに症状はでないが、体内の一箇所で長時間留まることで放電が起こり、胃や粘膜を傷つけて死に至る場合も。同じ電池の種類があれば持参して、できる限り早く受診する。
●食品保存剤、乾燥剤(シリカゲル)大量に食べた場合は下痢。中毒の心配はなし。水分をとって様子を見る。
●化粧水、クリーム、口紅、香水アルコール成分が多いときは顔が赤くなったり、嘔吐、下痢など。少量の場合は水分を飲ませて様子を見る。症状が強く出ているときは飲んだものを持参して受診を。
●マニキュア液、マニキュア除光液のどの痛み、咳き込み、吐き気、嘔吐、頭痛など。吐かせてはいけない。少量でもすぐに受診を。
●シャンプー口中、喉の痛み、吐き気、嘔吐。下痢、腹痛、おなかの張り、しゃっくりなど。少量なら牛乳、卵白を飲ませて様子を見る。大量に飲んだ場合、症状が強い場合は飲んだものを持参して受診。
●石けん(浴用、化粧用、洗濯用)吐き気、嘔吐、喉の痛み、口中のただれなど。少量なら牛乳を飲ませて様子を見る。症状が強いときは飲んだものを持参して受診。大量に食べた場合は吐かせてから受診。
●酸性、アルカリ性の洗剤口中、喉、胃の痛み。嘔吐。吐かせずに口の中をよく洗浄後、牛乳、卵白を飲ませて受診。
● 弱酸性、中性、弱アルカリ性の洗剤吐き気、喉の痛み、口中のただれ、腹痛、下痢など。口の中をよく洗浄し、牛乳か卵白を飲ませる。少量の場合はそのまま様子をみて、多量の場合は吐かせて受診する。
● 塩素系漂白剤口中、喉、胃の痛み。嘔吐。吐かせずに口中をよく洗浄してから牛乳、卵白を飲ませて受診。
●酸素系漂白剤口中、喉の痛み、吐き気、嘔吐。腹痛や下痢。牛乳、卵白を飲ませる。少量の場合はそのまま様子をみる。原液や粉末を飲んだ場合はすぐに受診を。
● 蚊取り線香、蚊取りマット嘔吐、腹痛、下痢。殺虫剤の量は少ないので中毒の心配は薄い。家庭でしばらく様子を見る。
●液体蚊取り口中、喉、胃が熱くなり、嘔吐、吐き気、咳き込みなど。石油が入っているので吐かせてはいけない。すぐに受診をする。なめた程度なら24時間家庭で様子をみて、症状が現れたら受診。
● 殺虫剤吐き気、嘔吐、腹痛、下痢。牛乳は飲ませてはいけない。水を飲ませて家庭で様子を見る。大量に飲んだ場合、症状がある場合はすぐに受診。
● ナフタリン吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、発熱、発汗、顔面紅潮。症状が1,2日遅れて出ることもあるので注意。牛乳を飲ませてはいけない。なめた程度なら水を飲ませて様子をみる。食べた場合はすぐに受診を。
● しょうのう吐き気、嘔吐、興奮、めまい。大量の場合はけいれんも。吐かせたり、牛乳を飲ませてはいけない。なめた程度なら水を飲ませて様子をみる。飲み込んだ場合はすぐに受診。
(参考:(財)日本中毒情報センター ホームページ http://www.j-poison-ic.or.jp/homepage.nsf)



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