とはいえ育児は人それぞれ
5〜6ヶ月健診で、生れてからずっと搾乳して母乳をあげているというお母さんがいました。
搾乳と離乳食のこととで、一日何もできずあっという間だとのこと。「止めてもいいでしょうか」という相談でした。「おっぱいで育ててるの、えらいわね。やっぱりおっぱいが一番ね」という周囲の言葉が頭から離れず、きちんとやらなければの一念だったそうです。その苦しそうな表情と「もう充分やってあげたわよ、やめたっていいと思うよ」といった時の、涙で潤んだほっとした表情が忘れられません。
それぐらい、そのお母さんはナーバスになっていたようです。
母乳という形だけにこだわるのは、時に本末顛倒な結果になることもあります。
私は長男の時、母乳をあげながら、とてもイライラしていました。いつまで、こんなに束縛が続くのか、寝不足の続く頭はいつもすっきりせず、何一つ思うようにすすめられないことはストレスでした。そんな母親にもらう母乳は満足できるものではなかったのでしょう。満足できる母乳を充分もらえなかったから彼は次のステップである離乳食に進めなかったのだと思います。
食べることに興味を持てず、手を変え品を変え工夫して作った離乳食はいつも食べずおっぱいちょうだいーの大泣きで食事は終わりました。母乳はあげることが幸せ・・・とうっとり赤ちゃんを見つめられるからこそいいのだと、二人目の子育てで思います。そういう自分の経験を考えても、母乳育児だからいい、という気はまったくありません。産みの苦しみは誰も代わってくれないのと同様、おっぱいもお母さんでないとダメなことです。
だからこその幸せがわかれば、大変なことも乗り越えられるんでしょうけれど。私は納得できるお産後の二人目で、その幸せを知って初めて母乳というものがわかってきました。おっぱいをあげることが幸せだと感じることができるためには、やはり幸せな自然なお産を目指すのが一番の近道だと思います。
産み方は、産み場所にもやはり関係してくると思います。
●母と子はいつもいっしょに
●おっぱいが足りない?
●とはいえ育児は人それぞれ
●お母さんが納得していれば、どんな方法も大丈夫