歯育・子どもの歯を育てる
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よく噛んで、健康で頭のいい子に育てよう!【Part.3】 |
取材協力・監修:北原信也 先生(2007年7月掲載・2017年12月再編集)
乳歯が生えそろうと、赤ちゃんはたいていのものを自分で噛んで食べることができるようになります。小さいうちからなるべくいろいろな食感のものを与え、口の中でさまざまな刺激を味わうことで、赤ちゃんの感性はどんどん豊かになっていきます。硬いものを噛むために口をしっかり動かすことで脳にリズミカルな刺激を与え、脳内細胞が活性化。そのうえ、口の周りや顎の筋肉も発達し、きれいな発音で言葉をしゃべることができるようになります。
乳歯の健康は、将来生えてくる永久歯の状態にも影響します。きちんと歯磨きをして虫歯のリスクから歯を守ることが、健康な永久歯をつくることにもつながります。
シリーズ6回目の最終回では、歯の咬み合わせが骨格に及ぼす影響、よく噛んで食べることのメリットについて学びます。
【Part.1】乳歯が生えそろったら気をつけたいこと
【Part.2】歯並びがよいと、「食べる」「しゃべる」が上手に
【Part.4】「歯育」から「食育」を考える
「ひみこのはがいーぜ」とは?
「ひみこのはがいーぜ」という標語をご存知ですか。学校給食会による噛むことの効用を謳ったもので、それぞれ「ひ」=肥満防止、「み」=味覚の発達、「こ」=言葉の発音がよくなる、「の」=脳の発達、「は」=歯の病気(虫歯、歯周病など)予防、「が」=がんの予防、「い」=胃腸の調整、「ぜ」=全力投球(力が発揮)できる、を表しています。また、卑弥呼、源頼朝、徳川家康など歴史上の人物が食べたとされる食事から、食事時間と1食あたりの咀嚼回数を調べた実験(神奈川歯科大学)もあり、そこからは玄米や木の実、魚を焼いて食べていた時代から、煮物や精米されたお米というように食事がだんだんやわらかくなって、現代では1回の食事にかける時間が11分、咀嚼回数が620回と、卑弥呼の時代の51分3990回から大幅に下がっていることがわかります。よく「噛む」ことの効用
よく「噛む」ことは、体のいろいろな機能の発達を促します。例えば、顔面をつくる骨や筋肉が発達し、咬み合わせがしっかりして顎の骨格がたくましく成長します。そうすれば大きく口を開けて大きな声ではっきりと発音することができるので、言葉が上手に扱えるようになります。しっかり咬めると踏ん張りがきき、スポーツなどで力が発揮できることもわかっています。One Point Advice
北原先生のワンポイント・アドバイス
“子どもの指しゃぶりが止まらない!
指しゃぶりの功罪とうまく手放すためのヒント”
北原 信也(きたはら・のぶや)先生(ノブデンタルオフィス院長)
顔、唇、歯、歯肉それぞれを科学的かつ審美的に分析し、一般治療から審美修復治療、メインテナンスプログラムにおけるまで、口腔プロデューサーとして治療・予防に全力を尽くす。著書や講演会も多数。歯のケアを通して子どもの知的発達を促すことを目的とした歯科医と教育カウンセラーによる日本初の「歯育」プロジェクト、ノブキッズ・プロジェクトの代表でもある。
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歯育・子どもの歯を育てる インデックス
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