(文:小野田レイ・掲載:2014年7月)
●●● 座って食べることを教えるコツ
食事中座らないで立ってしまうお子さんは多いです。一つは前述したように、お腹が空いていないのだと思います。そのようなときは「ごちそうさま」をして食事を片付けましょう。
食事中に立つこと、歩くことが癖になり、食べないからと言って追いかけてスプーンであげることは、絶対に避けてください。歩いているところに食べさせても、それは食事を楽しんでいるのではなく、それはかんで飲み込むという作業をしているだけです。落ち着いて座り、お料理を見て楽しみ、食べて楽しむことが栄養面だけではなく、リラックスにつながり、身体を健康にします。大人になるとなかなか時間が取れず満足に食事ができないときもありますが、子どものうちは健康的な食育を行いたいものです。立って食べさせることは避けましょう。

「ごちそうさま」をしたら遊びに解放、食事と遊びの境界線をつけることがしつけに繋がる
先ずはお母さんがお子さんといっしょに食べてください。正面に座ると左右が逆になりますので、お子さんの横に並んで座り、お母さんの食べるところを見せてください。子どもはなんでも母親のまねをしますので、落ちついて座り、スプーンや箸で食べているお母さんの姿を見せれば、教えなくても自然にスプーンや箸が上手に使えるようになります。
お母さんがスプーンで「あ〜ん」と食べさせている場合、お子さんは1人で食事をしていることになります。まねをする対象がいないため、いつまでも自分で上手に食べることができません。
最初が肝心なので、まだ食事を始めてなければ、離乳食を開始する1か月前(生後5か月)くらいから赤ちゃんをラックなどに座らせて、「おいしいよ」など声をかけ、お母さんが食べているところを見せます。これから、こんな楽しいことが待っていることを見せましょう。すると生後6か月ぐらいから「ちょうだい」と手を出し、食事に興味を示します。
また、まだ食べそうなのに途中で頻繁にイスから立ってしまう場合は、お母さんが膝に抱っこして一緒に食べましょう。もちろん、自分で食べさせ、お母さんは直接手助けをしません。そして抱っこから離れ歩き出した場合は、もうお腹がいっぱいと判断し「ごちそうさま」をして、遊びに解放してください。
このように食事と遊びの境界線をつけることがしつけに繋がります。
赤ちゃんがコンスタントに一定量食べるようになるのは、かなり個人差があり、生後8か月〜1.2歳だと多くのお母さんから聞きます。授乳していれば多少食べなくても栄養価は問題ないので、焦る必要はありません。離乳食は先ず食べることより「食事の楽しさ」を教えて下さい。
Point レッスン6のポイント
1.遊び食べはお腹いっぱいのサイン。
2.こぼしても怒らず、赤ちゃんと一緒にお片付けをしよう。
3.お母さんがお手本になろう。
4.ごちそうさまの後は食事と遊びの境界線をつけよう。
きほんのレシピ帳
たけのことトマト煮
出汁やトマトと相性がよいたけのこ、軟らかく煮て離乳食に。