これだけは知っておきたいチェックポイント
1.どのような医療的ケアが受けられる?
施設が大きくなればなるほど、医療設備も整い、技術的にも水準が高くなるが医療者とのコミュニケーションが今ひとつという声も。
一方、診療所はアットホームな雰囲気で、妊娠中のクラスや食事などのサービスに力を入れているところもあるが、最近の少子に伴って、分娩をやっていない施設や、帝王切開のできない施設もでてきている。助産院や自宅出産では、自然なお産ができるが、リスクのある妊婦にはむいてない。要チェック!
2.病医院のルーティンの医療処置
病院というのは、それだけでひとつの組織。そこには自ずと規則があり、母子のケアもシステム化されている。出産の医療処置にも慣例的なルーティンという管理方法がある。ルーティンの例→入院、診察、浣腸、分娩監視装置の装着、剃毛、分娩台での仰向けの姿勢、点滴(血管確保のため)、いきみの誘導、会陰切開など。ルーティンではないが、陣痛促進剤を点滴して人工的に陣痛を早める場合もある。こうした処置は医学的に必要なケースもあるが、慣例的に行う施設もある。
チェックしたいポイントは、陣痛促進剤の使用、会陰切開などの医療処置。ほかに、分娩姿勢や呼吸法、夫の立ち合い、母子同室かどうか、母乳に対して積極的に考えているかどうかなど。
→もっと知りたい医療処置上級編
前回帝王切開、逆子、その他のリスクを伴う場合と同じように、高齢初産、予定日超過(予定日を過ぎても産まれないケース)、破水で始まったお産、陣痛微弱など多少リスクをもった出産に対する医療処置は、個々の医師の判断による。どのような場合に陣痛促進剤を使うのか、どのようなケースで帝王切開になるのかは、聞いておきたい。ただし、医師によってはこうした質問を嫌うむきもある。
3.助産師
助産師は妊娠、出産、産後だけでなく、避妊や更年期など女性の一生を通してのセクシャリティーと深い関わりを持つ、力強い専門家。もちろん出産介助や母乳のケアもしてくれる。病産院のほか、助産院(助産師開業している施設)、保健所にもいる。残念ながら助産師が勤務していない施設や、助産師と看護師が同じユニフォームなので区別がつかないこともあるが、わからないことがあったら、積極的に助産師を見つけて、どんどん相談してみよう。
4.NICU(新生児集中治療室)
赤ちゃんに万一のことが起こった場合には、かなり大きな総合病院を含めてほとんどの病院では、赤ちゃんをNICUのある機関病院に送る。NICUの設備のある病院は少なく、そのベット数も限られている。
もっと知りたい 「あたたかいお産と子育て」
NICUってどんなところ? NICUの治療
5.出産準備クラス
大きな病院での外来は3時間待って、3分診療というところも。そうした外来では、医師に質問するのはひと苦労。それを補うために、出産準備クラス(母親、両親学級)や助産師外来を設けている施設もあるから、活用しよう。そのほか、マタニティ・ビクスやマタニティ・ヨーガなどのクラスを設けている施設もある。
6.食事
多くの入院患者をかかえる施設では、たくさんの食事がいっぺんに作られる。人数が多ければ多いほど、ひとつの食事にかけられる手間や費用、気づかいは分散されるのは当然。その点、アットホームな開業医の施設や助産院などでは、食事には気を使っているところが多く、評判もいい。
7.自分にあった出産を!
いくらアットホームな診療所や助産院で自然なお産がしたいと望んでも、健康状態によっては自然なお産ができなかったり、大病院での出産以外に選択肢がない場合もある。妊娠中はからだは変化するので、普段健康な人でも、かならずしも自然に出産できるかどうかはわからない。自分のからだの状態をよく知り、さらに、家庭の事情や家族の協力など、自分に合わせた出産、施設を選ぼう。