World members report Holland 2
第2回:オランダでの出産事情・高年齢出産編
ヨーロッパの小国・オランダに於ける、最新の高年齢出産事情をお伝えします。
(当方満42歳にて現在、第二子を妊娠中。4月中旬出産を控えています)
HUISARTS(ハウスアーツ・医者)の選択・オランダ人を配偶者に持ち、そのパートナーとして正規在留許可が下りた者は、配偶者のかかりつけの医者へ自動的に通える事になります。こういったハウスアーツとよばれる医者は、どちらかというと医療コンサルタントのような役目を果たします。妊娠が発覚した場合、報告をすればハウスアーツが総合病院を紹介し、紹介状を書いてくれますのでそれを持参して病院の産科へ通う事になります。
HUIS(ハウス・自宅・家)での出産か?
ZIEKENHUIS(ジーケンハウス・病院)で出産か?
それともVERLOSKUNDEGE(フロスクンディへ・産院)で出産するか?の選択
妊娠発覚と同時に、オランダでは自宅か、産院か、それとも病院での出産を希望するかを尋ねられます。
自宅の場合を希望する人が圧倒的に多い国ですが、この場合は陣痛が起きた場合に連絡を受けた助産婦が産院から駆けつけて出産に臨みます。
産院の場合は、上記の助産婦が常に待機している一種のクリニックのような場所へ赴き、そこでの出産となります。
私のような高齢出産の場合でも、こちらの女性は自宅出産を希望しますが(リラックス出来るという理由から)、医者や助産婦らはなるべく病院での出産を薦めているようです。緊急時に万が一、のトラブルを避けるためです。
KOST(コスト・費用)
健康保険加入者は、医療費は全て無料です。
妊娠や出産も全て”医療”の分野に含まれるため、同様に無料。
妊娠中に服用しなければならない薬等も処方箋があれば無料、高年齢者向けの羊水検査等の検査費も全て無料です。
また、産後即自宅へ帰される場合が多いため、自宅にて育児の全てをヘルパーの人たちから学ぶシステムになっていますが、この費用も健康保険でカバーされますので実質的に無料です。
BEVALLING(ビフォーリング・出産)は?
”破水しても、羊水の色が透明であれば自宅でシャワーでも浴びて、もう少し待機する”というオランダのやり方には、賛否両論があるようですが、破水した場合は、大抵病院か産院が即、受け入れてくれます。
陣痛の場合も、2〜3分おきになったら初めて病院に連絡するという具合。10分間隔位で病院へ連絡したりすると、もう少し待ってみて下さい、とあっけなく言われる場合もあります。
出産はあくまでもごく自然体。病院や助産院では、医師や助産婦のリードに従いながらの座ったままの出産が大半を占めます。
自宅出産の場合は、今こちらで流行の水中出産(自宅の風呂や、水中出産用に開発された風呂)で自由且つリラックスして出産に臨む人も増えてきました。
LEEFTIJD(レーフタイド・年齢)
こちらでは、満36歳以上の妊婦には、羊水検査やトリプルマーカーテストなどの検査が、強制ではありませんが、ほぼ義務付けられています。女性の社会進出が1950年代から当然だったオランダでも、40歳以上での高年齢出産は現在でもそう多くはありませんが、”年齢にかかわらず妊婦はどの人も同じ”と考えられ、病院でも健康であれば、若い妊婦と全く同じ扱いを受けます。
ENZ(エンソフォールト・その他)
今回2度目の妊娠を経験している真っ最中ですが、前回1年半前の妊娠時から新たに加わった新しい医療等について報告します。
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・大病院では、3Dエコーを妊娠15週目あたりで必ず行うようになった
(これでより鮮明な映像を見、胎児の異常の早期発見にかなり献上しているそうです)
・つわりに座薬(ビタミンE6を中心とした、つわり用の座薬が開発された)
私も妊娠12週〜17週まで服用しましたが、穏やかな効き目がありました。
・鉄剤にオレンジジュース
(貧血防止の鉄剤を服用すると、胃や腸に変調をきたし、便秘や下痢の原因にもなりかねない事が。
そこで鉄剤を服用する場合はオレンジジュースで。トラブルはかなり解消されます)
また、これは余談ですが、こちらでは妊娠を希望する女性は、葉酸を毎日0.5ミリグラム摂取する事で、高妊娠率に成功しています。
妊娠を希望する女性は、医者からまず葉酸を服用するよう支持されるのが普通です。
(葉酸は、たとえ大量に摂取しても体外に排出されるため、摂り過ぎの危険もないそうです)
2005年 3月 コーネリス・マイルス