不妊の悩みを解消するには?
10年間いくつもの施設で不妊治療を続けてきた中で、個人的なヒストリーを話せる場がひとつもなかったと打ち明けてくれた人がいます。不妊治療にはとくにインフォームドコンセントが必要と言われていますが、その多くは医師による検査や治療に関する説明が主体になっています。専門のカウンセラーや臨床心理士をおいて、治療を受ける女性やパートナーの気持ちを聞く相談室を設けているところもありますが、全国的に見ても数が少ないのが現状のようです。
そうした中、babycom の「高齢出産VOICE」 にも、また不妊関連のホームページでも、連日、自分の気持ちをつづった書き込みが数多く寄せられています。相談窓口が少なく、友人にも相談しにくい話題だからこそ、インターネットは不妊に悩む人たちの井戸端会議の場になっているようです。
不妊の悩みだけでなく、本来は治療を受ける前、あるいは治療をしながら、メンタル面でのケアはだれにでも必要なはず。多くの施設が相談窓口を設け、メンタルケアの充実が望まれます。
今回、ご登場いただいたカウンセラーの赤城恵子さんも、かつてなかなか妊娠できずにいた経験を持つひとりです。29才のとき検査で、両方の卵管が閉塞ていることがわかり、卵管通水治療を半年間続けた後、36歳になって体外受精を受けました。当時、体外受精は日本ではじまったばかり。今よりずっと侵襲的で辛いものだったといいます。そのため、1回でできなかったら子どもはあきらめようと覚悟していたとか。着床はしませんでしたが、受精卵を得たことで「夫も私も“私たちの子どもを授かった”という思い」につながり、産めない現実と自分を受け入れていく大きな転機となったそうです。 その体験を通して仲間と知り合い、デザイナーの仕事をやめて大学に入学。臨床心理やカウンセリングの勉強もはじめました。その後10数年を経た現在、赤城さんは東京都や千葉県で心理面のカウンセリングに携っています。思春期から更年期の相談までさまざまですが、最も多いのは不妊の相談です。そんな赤城さんに不妊の悩みを解消していくためのヒントをうかがいました。
あかぎけいこ・カウンセリングルーム
(2008.4/1更新)
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