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不妊体験・不妊治療レポート
不妊を考える「ウノトリはやってくる?」


不妊治療体験レポート-5
eさん
タイミング法→人工授精→体外受精 東京

 eさん 34才のとき、子宮筋腫で手術。
30代後半まで、キャリアプランを考えながら、忙しく仕事をしていました。実は20代後半から子宮に痛みを感じていたのですが、痛みは私にとって日常的なことでもあったので、あまり気にしてはいませんでした。

 34才のとき、子宮筋腫で手術。そのとき「このまま筋腫を抱えていたら妊娠は難しいだろう」と言われて、子どもをもつためにこれから何をすれば良いのかを真剣に考えるようになりました。手術をしたあと、それまでからだのことについて無頓着だったこと、痛みの信号を無視して我慢して過ごしてきたことを思い、大事な時間を無駄に過ごしてきたような気持ちになりました。
不妊治療をはじめたのは38才のとき。年齢的に妊娠しにくくなっていたのかもしれませんが、検査をしても、手術をしたせいで腹腔に癒着の可能があること以外、とくにはっきりした原因はわかりませんでした。夫の精子にも異常はありませんでした。
40才を超えると妊娠率が急に下がり、妊娠してからもいろいろな面でリスクが高いことを知っていましたので、不妊専門のクリニックに転院して積極的な治療にはいりました。はじめはタイミング法を2ケ月試み、次に人工授精を2回。医師は私の年齢を考慮して、最短コースで治療していくことをすすめてくれたので、その後は体外受精を選びました。

 排卵誘発剤の注射は、採卵まで1週間ほど受けました。これは主治医に紹介状を書いてもらい、家の近くのかかりつけの医師のところへ毎日通いました。それほどストレスには感じませんでしたが、フルタイムで仕事をしている人には難しいかもしれません。採卵し、胚を戻してから、別のホルモン注射をさらに2週間ほど続けました。
クリニックでは、体外受精は1年間で3回ほど受けるつもりで考えていてくださいと説明を受けていました。そのクリニックでは、3回体外受精を行なったトータルの成果が、妊娠率60%とのことでした。それを知ってはいたのですが、1回目の体外受精で妊娠できなかったときには、かなり精神的に落ち込みました。38才も終わりに近づいていた頃だったので、やはり40才までにはなんとかしたいと、年齢的なあせりもありました。
親戚の人から「もっと早く治療を受けていればよかったわね」となにげなく言われた一言は、心に刺さりましたね。このときは仕事をやめていたので、それ以外の雑音は入ってこない状況にあったので、その点はよかったと思っています。

 採卵のスケジュールは、注射をうちはじめてからエコーで卵の様子を見ながら、だいたいこの日くらいだろうというめやすを立てます。でも、確実な日取りは2日くらい前にならないとわかりません。私はあまりずれなかったので、よかったのですが、人によっては大幅にずれたりすることもあるとか。それに合わせて、主人は会社を休んでくれました。
私の場合、採卵は全身麻酔で行ないました。朝8時半にクリニックに行き、昼には終わります。主人は家のほうがリラックスできるからと家で精子を採取したので、クリニックへは行かなくてもよかったのですが、私が全身麻酔を使うということもあり、心配して2回とも仕事を休んで付き添ってくれました。夫はひじょうに協力的でした。いっしょにやっていくという気持ちを、ふたりで感じることができないと、治療を続けるのは難しいと思います。

 受精卵を直接見ることはありませんでしたが、医師がイラストでわかりやすく説明してくれました。1回目は採卵後、3日間培養して子宮に戻しました。そのときの卵も、わりといいと言われたのですが、妊娠までにはいたりませんでした。
2回目のときには、培養薬を変え、5日後に胚埴。受精卵が胚盤胞(はいばんほう)という胚に育つまで待ち、十分に分割したところで戻すことで、妊娠する可能性が高くなるとのこと。その2回目の体外受精で妊娠に成功しました。
不妊治療はおよそ半年という短い期間でしたが、妊娠してからも、うまく育つだろうかと、はじめのうちは心配ばかり。ネットでいろいろ調べたりして、情報を集め過ぎたことで、心配の種がいっぱいできてしまったようなところもありましたね。今、やっと安定期に入り、気持ちも落着いてきたところです。


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