
妊娠初期に飲んだ薬の影響は
妊娠初期に飲んだ薬や飲酒の影響について悩んでいます。胃腸薬のガスター10・セルベール・ブスコパン・トマーゼ・鎮痛剤のセデス・バファリン・便秘薬のサトラックスを妊娠6週まで飲んでいました。胎児への影響が心配です。

■アドバイス:
薬剤の服用により胎児に影響を及ぼす時期や内容は異なっています。まず、受精の成立から18日目以前(およそ妊娠1ヶ月過ぎまで)に投与された薬剤が、催奇形性(胎児奇形の原因となり得る可能性)という意味では胎児には影響はありません。もしこの時期に受精卵が薬剤の影響を受けたとすれば流産となるか、あるいは健児となって分娩にいたるかのどちらかとなります。これをall or noneの法則と呼んでいます。
したがってこの時期の薬剤の投与に当っては、胎児への影響を考慮する必要はあまりありません。ただ、薬物に残留性がある場合は注意が必要となります。
次に受精後19日から37日まで(およそ妊娠2ヶ月に相当する時期)は、胎児の中枢神経、心臓、消化器、四肢などの重要臓器が発生・分化し、催奇形性という意味では胎児が最も敏感な時期にあたります。この時期は種々の催奇形性因子に対して感受性を持つじきで臨界期とも呼ばれています。したがってこの時期の薬剤投与、あるいは服用してしまった場合は十分に文献的に調べる必要があります。
どの薬をどんな量、どれくらいの期間内服されたかを、ご自分でメモにとられた上で、かかりつけの主治医もしくは薬剤師などにお訊ねになるといいかと思います。
答えた人:吉原香織(助産婦)