会陰切開の傷について
去年の五月に出産しました。その時、会陰切開した他に2箇所肛門まで深く裂けたとのことでした。それ以来、下痢などをした時に膣のところから大便がもれてきている気がします。また、おならを我慢しても膣から空気が漏れてきます。もしかして、膣と肛門がくっついてしまっているのでしょうか?
以前は悪露だと思い病院に行ったのですが異常なしととことでした。肛門の筋肉も大丈夫と言われました。骨盤低筋が弱まったせいでしょうか?もし、病院に行くとしたら何科に行けばいいのでしょうか?
■アドバイス:
出産の際に行われた会陰切開の傷あとが、気になっていらっしゃるようですね。
会陰切開の傷や産後の膣の変化などは、話しにくいことなのであまり表面には出てきませんが、実は同じように悩みを抱えている方はいると思います。
出産した産婦人科に相談して、問題はないと言われたとのことですが、それでもご自分では、肛門から何かがもれ出しているような感じがするのでしょうか。自分のからだのことですから、ご自分が一番よくわかっているのだと思います。不快な症状を感じるのであれば、ほかの医師に相談してみてはいかがでしょうか。
まず、ほかの病院の産婦人科を訪ねて、自分の感じを話して診てもらってください。そこで処置してもらえるかもしれませんし、他の科を紹介してくれるかもしれません。ほかの医師が診て、問題がないということでも、まだ気になるようでしたら、自分が納得できるまで、また別の医師に相談することも可能です。肛門や膣に傷が残っているようなら、外科的な処置をすることによって、改善されていくと思います。
一方で、その不快感を少しでも緩和するような方法を自分でとってみることもできます。骨盤底の運動を続けることをおすすめします。これは膣をギュッと引き締める運動ですが、膣に痛みが伴うような場合には、無理にすることはできません。
まず、肛門をウンチを止めるような要領で引き締めていきます。ギュッと引き締めてから、ゆっくり力を抜いていきます。このとき、ほかのからだの部分に力が入らないように、肛門だけを締めます。それを10回ほどくり返します。次に、同じように膣全体を引き締めていきます。膣の奥の子宮口のほうへ、膣の全体の筋肉を引き上げるような感じです。ゆっくり引き締めて、ゆっくり力を抜きます。このときも、ほかの部分に力が入らないように気をつけます。(たとえば、肩とか腕に力が入らないように)。これも10回ほど続けます。
こうした運動を、1週間2週間と続けていくことによって、骨盤底の筋肉が引き締まっていくはずです。膣に痛みがなく、続けられそうだと感じたら、肛門と膣の各10回の引き締め運動を、1日に2〜3回くり返します。少し様子を見て、それに慣れてきたら、10回の回数を増やしていきます。気がついたときに行うようにしてみましょう。
お湯にアロマオイルを入れて、患部をあたためるのも、効果があるかもしれません。一般に会陰の傷には、サイプレスとラベンダーが効くと言われています。たらいのお湯に2〜3滴づつ入れて、あたためてみましょう。お風呂に天然の海塩を入れるのもいいかもしれません。(「妊娠と出産のハーズ医学」アン・マッキンタイアー著 フレグランスジャーナル社)
膣のトラブルは、セックスにも影響してくると思いますし、次のお子さんを考える場合にも、気になってくることだと思います。まず、医師に相談するとともに、自分でもできることからはじめてみてはいかがでしょうか。からだというのは、動かすことによって、かならず健康になっていくものです。自分のからだですから、自分で治す方法がきっとあるはずです。
答えた人:きくちさかえ(マタニティコーディネーター)