出産の場所
いまや「お産は病院で」があたりまえのように言われているけれど、出産する場所は病院に限らずいくつかの選択肢がある。
病院
病院というのはあたりまえの話だけれど『○○病院』という名前で呼ばれている施設のこと。大学病院、総合病院、産科専門病院など。ベット数も20床ほどの小規模のものから診療科目もたくさんあるベット数1000床を越えるマンモス病院までそれぞれ。かたや『○○クリニック』『○○産婦人科医院』という名称の施設は正式には診療所と呼ばれている。こちらは医師は1人以上、一般的に規模は小さいのだけれど病院を見まごうばかりに立派なことろもある。そのほかには助産院でもお産をすることができる。助産院
助産院というのはあまり知られていないけれど、助産婦が経営している医師のいない施設だ。こうした施設ばかりでなく、自宅で出産することも可能だ。私も妊婦のときには月に1回病院に通っていたけれど、ふだんはめっぽう丈夫で病気知らずなので、数年に1回内科に行くくらい。ずいぶん以前に胃の調子が悪くなって病院へ行ったときのことを思い出してみたのだけれど、そのときは適当に近所の病院を選んで(たいした根拠もなく)、たまたま担当に当たったドクターに診療してもらった。愛想のいいドクターだったし、説明も十分とは言えないまでもそれなりにていねいにしてくれた。看護婦は忙しそうで、口もきけない状態だったけれど、薬をもらって帰るだけなのだから「まあ、いいか」とそれ以上求めるものはなかった。
ひとつの施設のひとりのドクターの診察しか受けなければ、たとえほかの治療方法や処方、あるいは診療値段があったとしても比べようがない。長い闘病期間を必要とするような深刻な病気ならともかく、流感やストレスによる軽い症状くらいなら診療や治療の質は多少気にはなっても「治ればいいわ」ということになってしまう。
そのとき私は、お産も多くの人にとっては病院で産むということはこういう感覚なんだろうなと感じた。治ればいいのであって、それ以上は求めない。いわんやドクターと突っ込んで話をする気分にもなれなかったし、忙しそうな看護婦に向かって「こちらの病院での診療方針はどんなものなのでしょうか」などと聞く気もまったくなかった。その病院とのつきあいはその初診のときと、次の週に行ったときだけだったから、それ以上深く関わることも期待することもなかった。この程度のことなら、どこでもどの医師でも同じだろうというあきらめもあったような気がする。
外来を訪れる多くの患者の心理はこんな感じなのかもしれない。もちろん医師をもっと関わることになれば、じっくり話を聞きたいと感じたと思うし、この病院でいいのかどうかまず考えたに違いない。そのとき私が感じたのは、お産のときにも多くの人はこうした期待のないお任せしながら深く関わらないという冷めた目で病院なり施設を見ているのかなあということだ。
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