バースコントロール

妊娠のために知っておきたいからだのこと-5

バースコントロールについて

プレマタニティといえども、「今すぐ子どもが欲しい!」という人ばかりではないはず。「子育ては、仕事が一段落着いてから」「今はまだ考えられないけれど、将来は絶対子どもが欲しい」という人の場合、やはりきちんとしたバースコントロールが必要です。避妊法にはいろいろな種類がありますが、自分の体や生活に適した方法を選ぶことが大切。

話題の低容量ピルを含め、バースコントロールの方法をいくつか紹介しましょう。

...........「予定した出産」は意外に少ない

...........低容量ピルのメリットとデメリット

...........避妊具について

...........オギノ式や基礎体温法は他の避妊法と組みあわせて



「性と健康を考える女性専門家の会」の調査によると、日本では「予定した出産」で生まれる子どもの比率はわずか3分の1程度なのだそうだ。「できちゃった結婚」ができるカップルならともかく、そうもいかない事情を抱える人にとって、予定外の妊娠はとても悲しむべき出来事である。
予定外の妊娠の原因は、いうまでもなく避妊の失敗。避妊法の中では比較的信頼度が高そうなコンドームでも、失敗率は12%にも昇るというから驚きだ。
将来子どもが欲しいと思っているプレマタニティにとって、中絶は肉体的にも精神的にもダメージは大きい。ぜひとも、避妊法についてきちんと知識を得、しっかりと実行して欲しいものだ。


避妊の方法にはさまざまな種類があるが、一般的には、2種類以上合わせるのが効果的だと言われている。現在、最も有効な避妊法は、99年に承認された低容量ピルによるもの。従来の中・高容量ピルのように、吐き気や体重増加といった副作用がほとんどなく、正しく飲めばほぼ100%の効果が得られる。
が、問題もないわけではない。
ピルを飲むことによって、コンドームを使用しなくなると、性感染症にかかる可能性はおのずと増えてしまう。もちろんこれは、不特定多数の男性と関係しないとか、パートナーと一緒に検査を受けておく、といった予防法はあるから、人によってはさほど大きな問題ではないかもしれない。

いちばん気になるのは、やはり、長期間服用した場合の体への影響である。副作用はほとんどないと言われているし、体への負担も、望まない妊娠のリスクに比べれば微々たるものかもしれないが、自然なリズムを薬で変えてしまうことに抵抗を感じる人もいるだろう。いずれにしても、自分の心と体と医師にによく相談してから選ぶべき避妊法ではある。
なお、今のところ低容量ピルは、医師の処方せんが必要で、健康保険は適用外。そのため、1カ月に3000円ほどの薬代プラス医師の診察料がかかる。


日本で最も一般的な避妊法は、コンドームによるものだろう。失敗率12%のうち、最も多いのは装着ミスによるものなので、「最初から装着しておく」「射精後は早くはずす」といった基本を守るのがもっとも重要。ただ、コンドームの場合、男性側におまかせの避妊法なので、その点で信頼できないパートナーとの性交には向かない方法。

女性用の避妊具としては、ペッサリー避妊用フィルムなどがある。ペッサリーは、スプリング状の金属の輪にゴム膜を張った、直径7〜8センチの避妊器具。これを自分で子宮口にかぶせて精子の侵入を阻止する。性交後すぐに取り出すと効果がないため、8時間ほどは入れておかなくてはいけない。なお、洗浄して2〜3年は繰り返し使える。
避妊用フィルムは、殺精子剤をオブラート状にしたフイルム。自分で子宮口に挿入し、5分程度で効果が現れ、持続時間は2時間と、なかなか実用的な代物。ただし、ペッサリーも避妊用フィルムも100%の避妊効果はないので、他の避妊法との併用が確実。
このほか、錠剤やゼリー状になった殺精子剤(酢酸フェニル水銀、硫酸オキシキノリン、トリオキシメタレンなど)を膣内に入れる方法もあるが、単独での避妊効果はあまり高くない。

なお、IUD(子宮内避妊リング)は、避妊効果の高い方法だが、不妊症と関係があるとも言われており、出産経験のない女性にはすすめない産婦人医が多い。



毎月、判で押したように生理がくる人の場合、最も身近な避妊法が、いわゆる「オギノ式」だろう。「排卵は月経前12日〜16日までの5日間に起きる」という荻野学説を応用した避妊法なのだが、これで失敗したという人は、たぶん周りにもけっこういるのではないかと思う。精子の生存日数は個人差があるし、月経周期もある日突然狂わないとも限らない。どちらかといえば、予定外の妊娠も受け入れる覚悟のある夫婦向け、といえるだろう。

もし、オギノ式に頼るなら、最低限、基礎体温や膣からの分泌物による排卵日チェックは怠らないようにしたい。最近では、排卵日を予測する検査薬やキットも薬局で入手できるけれど、高価なうえ、100%正確とはいえない。やはり他の方法と組みあわせるほうが現実的といえそうだ。


プレマタニティの生活、そしてライフスタイルとは あわせて読みたい
プレマタニティの生活
バースコントロールを解いた瞬間から、誰にでも妊娠の可能性はある!

妊娠・出産のアウトライン あわせて読みたい
妊娠・出産のアウトライン
いざというときに悩まないために、今から妊娠・出産についての知識を得ておこう。


女性のからだと卵子のひみつ 卵子story Kindle版

卵子も歳をとる!知っているようで知らない自分のからだ、卵子のこと。 排卵、受精、妊娠…卵子の一生をマンガと挿絵で解説。 著作:babycom



プレマタニティ養生学

知っておきたいからだのことインデックス

これだけは知っておきたい、月経のしくみ

基礎体温でこんなことまで分かる

男性の体もきちんと知っておこう

性感染症の基礎知識

バースコントロールについて


妊娠・出産、母乳ワード101妊娠・出産・産後ワード101
知っておきたい!安産と楽しいマタニティライフに役立つ妊娠・出産用語集。



babycom おすすめ記事
babycom Site
妊娠準備のための健康術妊娠の準備「プレマタニティ養生学」

体がいま何を欲しているか、どんなことをすれば体が本当に気持ちよくなるか…と考える東洋医学は、そんなプレマタニティにぴったりの医学です。

オムロン 婦人用電子体温計

検温開始から温度の上がり方をリアルタイムに分析、5分後の体温を平均10秒で予測。くわえやすく正しく簡単に検温できる。


高齢出産&妊娠高齢出産という選択
ともするとリスクばかりが強調されがちですが、高齢出産でなければ得られない喜びやメリットもある。



babycom おすすめ関連コンテンツ



TOP▲