月経について、もう一度考えてみよう
毎月、当然のように訪れる月経。始まってほっとする人、生理痛がひどくて毎月つらい思いをしている人など、いろいろでしょう。また、プレマタニティの中には、「ああ、また来ちゃった」とがっかりしている人もいるかもしれません。
すぐにでも子どもが欲しいという場合はともかく、大半の人にとって、月経はあまりにも身近で、どちらかといえばうっとうしい存在。そのためか、月経量や周期の乱れをあまり気にしないという人も多いようです。でも、いざというときに慌てないためにも、月経のしくみについては、やっぱりきちんと知っておきたいもの。まずは、月経にかかわる器官のことを、ちょっとだけ復習しておきましょう。
子宮
イラストの真ん中にある、逆三角形をした部分が子宮です。大きさはちょうど鶏の卵くらいで、洋梨のような形をしています。子宮の内側を覆う子宮内膜は、いわば“赤ちゃんのベッド”。排卵が起こると、この内膜がどんどん厚くなって、受精卵の着床に備えます。そして、妊娠しなかった場合は、月に1度のベッドメーキング(つまり、月経)が行われ、内膜がはがれ落ちて外に排泄されます。
卵巣
卵巣は、大人の親指ほどの大きさで、この中には卵子の種ともいえる「
原始卵胞」が何万個もつまっています。1ヶ月に1度、この原始卵胞のうち、20個ほどが成長しますが、実際に排卵されるのは、このうちのひとつだけ(双子の場合はふたつ)。なお、原始卵胞の数は、産まれたときから決まっていて、
毎月排卵が起こるたびに減っていきます。
卵管
子宮底部(子宮の上側)から左右に出ている約10cmの管が、卵管。この先に付いている手を広げたような形をしたものが「
卵管采」で、卵巣から出る卵子をとりこんで、子宮に運ぶ役割を果たします。
正常な月経とは?
月経1日目から次の月経が始まるまでの周期は、だいたい28〜35日といったところ。このうち前半が、卵巣内で卵胞が成熟する「
卵胞期」、排卵を境にした後半の約2週間が「
黄体期」です(月経のサイクルとホルモンの関係については、「
基礎体温でこんなことまで分かる」で詳しく説明します)。
月経の持続日数は、だいたい3〜7日、平均すると5日ほど。出血する量は、100g前後と言われていますが、月経量はなかなか計れるものではありませんし、人と比べるわけにもいかないため、どの程度が正常なのかよく分からない、という人も多いと思います。
目安としては、1枚のナプキンが2時間もたないくらい量が多い、あるいは、ナプキンを取り換える必要がないほど少ないといった場合以外は、ほぼ正常と考えていいでしょう。
最も簡単で大切なことは、自分の前の状態と比べてみること。「なんだか急に量が増えたみたい」「ときどき、ものすごく量が少ないときがある」などと感じるようなら、婦人科のかかりどきと考えましょう。
また、月経の色や状態も、子宮や卵巣の働き具合を知るバロメータになります。月経血の色は、鮮血よりは少し暗い赤が正常で、極端に色が薄い場合や、茶色っぽいおりもののような出血しかない場合はちょっと心配。また、レバーのような塊がないかどうかも重要なチェックポイントです。もちろん、塊があること=病気というわけではありませんが、子宮内膜症や子宮筋腫の可能性も考えてみる必要があります。