危機に直面していながら、「大事にはならない」「自分は大丈夫」と思い込み、危険や脅威を無視してしまう心理的な傾向のことで、社会心理学、災害心理学の専門用語。
正常化の偏見は、東日本大震災での津波からの避難や初動の遅れの原因として、この心理的な働きがあると指摘されている。 災害心理学者・広瀬弘忠氏の著書「人はなぜ逃げおくれるのか」で広く知られるようになった。「正常性バイアス」ともいう。
<正常化の偏見の克服の例>
東日本大震災の津波からの避難で釜石市の小中学生たちが「率先避難者」となり、大人がそれにつられて避難し、多くの人の命が助かった。 この子どもたちを指導していたのは、片田敏孝・群馬大学教授、防災教育によって正常化の偏見を克服した例として注目されている。
関連ワード:津波てんでんこ