“自然なお産”を考える
5年前、バンコクでの第1子出産時の事です。予定日になってもまったく生まれる兆候はなく、1週間過ぎたところで陣痛を誘発しました。朝から点滴を始め、ひる頃には子宮口1センチ開きました。「よし!」と思ったのですが、そこで陣痛は遠のいてしまい、夕方まで頑張っても変わらず、「まだ41週だし、もう少し待てるから…今日の刺激で、自然に陣痛が起こるかもしれないし」というドクターの判断で、その日は家に帰されました。(剃毛も浣腸もされちゃったのに…)
翌日から毎日、階段の上り下り、おっぱいマッサージなど、陣痛のつきそうな事は端からやったのですが
結局1週間後の検診時も、1センチで変わらず。翌日2度目の誘発となりました(42週です)。「今日生まれなかったら後がない…」膣剤を1錠、続けて点滴を開始。昼頃から本格的な陣痛が始まりました。でも、間断ない痛みがくるわりに、子宮口はなかなか開かず、夕方になっても5センチ。呼吸法もうまくできず、看護婦さんの「麻酔したらどう?」のささやきに思わずうなづき、硬膜外麻酔を受け、その後あまりの楽さにぐうぐう寝てしまいました。(自然分娩するぞ!と決めていたわりに情けない)
8時過ぎ、「さあいきんで!」となり、でも、麻酔が効いているため、力を入れているつもりでもどこにどう力が入っているのかわかりません。最後は吸引で、3590グラムの息子は生まれて来ました。後からドクターは、「もう30分くらい待ってもだめだったら帝王切開する事になっていた」と話してくれました。
日本での2回目の出産は、双子で、あこがれの(!!)自然なお産はまたも経験できませんでした(中毒症で入院、陣痛誘発したので)。でも、とにかく私にとっては、これがベストであったのだと思っています。1回ぐらい、自宅で、おしるしとか、陣痛の始まりとか、そういうのを味わってみたかったなあという気持ちはまだありますが。それにしても「自然なお産」っていう言葉、つい縛られたり惑わされたり、けっこう厄介なものかもしれない・・・なんて考えています。
(1999.9.2)