2回の出産をとおして〜帝王切開と自然分娩〜
一人目を帝王切開、二人目を自然分娩しました。
私は、平成6年に一人目を出産しましたが、頭が見えていながら、尾底骨が変形していて、それ以上出産が進まないという理由で急遽帝王切開となりました。(尾底骨が変形しているのが、わかったのは、頭が見えていて出産が進まなくておかしいといってからとったレントゲン写真ででした。頭が見えた状態で、一番つらい陣痛がきていながらのレントゲン撮影でした。)信じられませんでした。
頭がみえているのに・・・後から考えるとゾッとします。赤ちゃんにとって一番苦しいといわれる産道を通っていながら戻され、切ったお腹からだされたのですからね。尾底骨が変形しているという致命的な原因があるにもかかわらず、それでも自然分娩にこだわったのは、一人目の出産&育児のとき、(すべてが帝王切開のせいとはいいませんが)出産したという自覚がない(出産直後から、腕の中に赤ちゃんがいることが不自然だった)、愛情がわかない、おっぱいの出が悪いなど、自分のなかで、自然分娩だったら違ったのではないかという疑問がフツフツと沸いていたからです。
3年後の平成9年に二人目の妊娠がわかり、助産院など片っ端から電話し、状況を説明したのですが、なかなか納得はしてもらえず、それどころか、とりあってすらもらえなかった助産院、病院などもありました。そんな時、愛知県岡崎市にある吉村病院で、私みたいな状況のひとでも自然分娩できるところがあるという情報を得ることができ、二人目はそこで無事、出産しました。自然分娩でした。子どもは、尾底骨をちゃんと抜けることができたのです。その病院の先生及び助産婦さんの技術もすばらしかったのも大きな要因だったと思います。二人目の育児は、産んだという自覚も充分にあり、愛情も一人目には申し訳ないくらいあり、おっぱいも“双子が育てられるよ”といわれるほどでています。
ただ、一人目を帝王切開した人が、二人目を自然分娩する場合、かなりのリスクがあります。私の場合、たまたますべてがいい方向へむかったので、自然分娩でよかったといえますが、もし、子どもや私に何かあったら生涯共に心に傷を背負ったかもしれません。二人目のとき、ちゃんと産めるかどうか、何かあったらどうしようと不安を抱えながらの妊婦生活だったのですが、そんなとき
“あなたみたいな人いっぱい見てきたし、ほとんどが無事出産している!から大丈夫、大丈夫。産めますよ”
といって笑顔ではげましてくれた病院の先生の言葉が、私の中で、“絶対産める。がんばろうね赤ちゃん”って自信につながったのだと思います。
(1999.4.14)