フロリダ州キーウェストのバースセンター - 世界の分娩室から

Babies by the Sea

アメリカの最南端、キーウェストにあるバース・センター“Babies by the Sea”。その名のとおり、海に面したウォーターフロントにそれはある。

バース・センターというのは、日本でいう助産院のこと。だけれど、このバース・センターには、医師も働いている。ここは、クリニックとしても機能していて、産科だけでなく、婦人科の健診も行っている。
白いコロニアル調の建物。２階はクリニック、１階は出産をする産科になっている。アメリカには、こうしたバース・センターのような施設は少ないのだけれど、中はなかなか充実している。
アメリカの場合は、医療費が高いということもあって、一般に出産の場合、何日か入院することはない。出産して、半日ほど休んだら、すぐご帰宅。ここも同じようなシステムになっている。

１階の産科には、２室の分娩室。それぞれに、バス、トイレがついていて、水中出産ができるようにもなっている。勤務している助産婦のマリーナ・アルズガライさんは、野性イルカとも泳いでいる水泳好き。水中出産の介助を得意としている。

バスは、家庭バスと同じ大きさで、たいして大きくはないけれど、その中で出産することもできる。もちろん、ベッドの上でも、床でも、好きな場所で好きな姿勢で出産することができる。医師もいるので、ふつうは助産婦が出産を介助しているけれど、医療的処置が必要なときには医師が駆けつけるシステムになっている。

分娩室は、もちろんLDR方式。ホテルの一室のようにファンシーだ。宿泊はしないので、食事は出ないけれど、簡単なスナックやコーヒーを沸かすくらいのキッチンはついている。
アメリカの場合、病院出産が一般的で、そうした出産の60〜70％が麻酔による分娩。しかし、自然な出産を望む人たちもけっこういるから、そうした自然派にとって、バース・センターはかっこうの出産施設になっている。