偏平乳頭で、母乳で育てるには?
母乳で育てたいと思っていますが、偏平乳頭のためミルクを足さないといけないのでは?と心配しています。どのようなことに注意すれば、母乳で育てることができるでしょうか?

偏平、陥没、短乳首。いずれも授乳に不利なことは確かです。とくに乳頭から乳輪にかけて固い場合、じょうずにベビーの口に含ませてやらないと、吸わせるのに苦労します。また、吸っているように見えても、効率のいい吸い方ではないので、授乳に時間がかかったり、授乳の間隔が短く、結果的にミルクを足してしまう場合も多くあります。
でも、実際に吸う行動や口の中の状態は、赤ちゃん自身が体得していかなければならないことなんです。それがうまくいくように、お母さんはできるだけのことをして、見守ってあげるという姿勢をもつことです。扱いにくい乳頭のお母さんはとくに心掛けてください!
●妊娠中にすること
・ブレスト・シールド(薬局に売っています)や乳頭吸引器で乳頭をひき出しておく。
・皮膚を強め乳輪部を柔らかくするために、乳頭のマッサージをする。
●お産直後にすること
・誕生30分以内にじょうずな吸い方(上下唇が同じ深さで奥深く吸いつかせる)で
吸わせる(このときの姿勢も大切です)。
・24時間以内に、頻回に吸わせる。
・哺乳ビンは使わない。
・ミルクや糖水を足さずに回数を増やす。
※誕生3日くらいの間に吸えるようにしておかないと、後になればなるほど、苦労が増します。ですから、出産する施設がどんなやり方で授乳しているのかを聞いて、自分の希望を伝えておくことも大切です。何よりもまず、ミルクを足すかどうかを心配するより、「絶対に母乳で育てるんだ!」と決心することから始めて下さい。
(答えた人:永原郁子さん/マナ助産院助産婦/'97/12)