うつ伏せ寝とSIDSについて-2
乳幼児突然死症候群について厚生省が調査した結果がニュースになりましたね。1年半で800人ものお子さんが亡くなっていたのですね。思っていたより多い人数で少し驚きました。
「うつぶせ」は「あおむけ」の約3倍、「人工栄養」は「母乳」の約5倍になるとか。うつぶせ寝は以前から、もしかしたら関連があるとは言われていましたので、私は、仰向けで寝かせています。(母乳はどうしてもたりず、混合です)。でももしかしたら、うつぶせにすることで、体のどこかに異常が出て、亡くなってしまうこともあるのでしょうか。だとしたら、普段は仰向けでも、ちょっとでもうつぶせにすると、危険度が増すということなのでしょうか。
実は、もうすぐ3ヶ月の息子は、うつぶせができません。
ときどき、うつぶせにすると、頭を動かすことが全くできず、話しかけても目はうつろで、1分もたたずにふぇ〜んと泣き出してしまいます。このままでは、寝返り(嫌いなうつぶせになる)がいつまでもできないのではとも思ってしまいますが、上記のことも気になり、嫌なうつぶせを毎日するのも忍びないと思っています。2ヶ月くらいでうつぶせで顔を上げると聞いたことがありますが、それはうつぶせを何度もしていることで、できるようになるのですか。それとも、体が発達するとできるのでしょうか。
また、知り合いに多少ぐらぐらしても首を支えずにだっこしないと、首がいつまでもすわらないと言われてしまいました。私は、時期が来るとすわるものと思っていたのですが、違うのでしょうか。首がすわっていないのに支えないのは心配です。どなたかアドバイスをください。

この全国キャンペーンの開始以来,勧告を『乳児は,決してうつ伏せに置いてはいけない』と誤って解釈してしまう親が一部にいた.この解釈は正しくない.覚醒時にうつ伏せ姿勢をとることは肩周囲の運動の発達にとって重要であると発達医学の専門家も勧告している.従って,乳児が覚醒していて,親が観察している時には,うつ伏せにする時間もある程度は必要であると両親に助言すべきである.
『アメリカ小児学会:医療専門家のための幼児の就寝姿勢とSIDSに関する質問と回答』より
飯田市立病院産婦人科のホームページ
http://www.clio.or.jp/~yamazaki/SIDS.html
のワンポイント医学講座(産婦人科編)の中の
「乳幼児突然死症候群について」をご参照ください.
( 答えた人:山崎輝行先生/飯田市立病院産婦人科/BC Message Boardより'98/6)

SIDSとうつ伏せ寝の関係は、「疫学的」な関係です。もともとSIDSになりやすい状態(呼吸を司る脳の成熟度など)にあり赤ちゃんが、うつ伏せ寝をすると、呼吸が止まってしまうことがある、ということなのです。そのような「未熟性」のない赤ちゃんがいくらうつ伏せ寝をしてもしSIDSにはなりません。
ただ、どのような子どもが危険なのか、現在の医学ではわからないのです。母乳との関係についても同様で、なぜ母乳の子どもに少ないのか、理由はわかりません。母乳の成分なのか、あるいはお乳を含ませるという行為(スキンシップ)が関係しているのか、今のところわかりません。
( 答えた人:榊原洋一先生/東大病院小児科/BC Message Boardより'98/6)