おしゃぶりについて
6ケ月の男の子。おしゃぶりが大好きです。おしゃぶりをすると、ばい菌が口の中に入って虫歯になりやすいとか、歯の生え方に影響が出るという話を聞きました。
また、子供が泣いているときに「おしゃぶり」や他の物で口をふさいでしまうのは感情を表に出すことができなくなるといったケースもあるとテレビで見ました。たしかに、おしゃぶりをするとおとなしくなります。
親の都合で静かにさせるために無理やり加えさせるのはよくないと思いますが、本人が好んでしゃぶっているようであれば、問題ないのではないでしょうか。
「おしゃぶり」を欲しがって泣いているのか、そうでないのかなんてわからないですし、主人は、すぐに子供の口に「おしゃぶり」をはめ込んでしまいます。子供もそういうものだと思っているようで抵抗はしません。

「おしゃぶり」を絶対いけないものだとは思いません。どうしても抱っこしたり、おっぱいをあげられないときにほんの少しだけ使ったり、赤ちゃんが自ら手を伸ばして遊んでいるのなら、問題はないかもしれません。
けれど、赤ちゃんを泣きやませるために使う、というのはどうでしょうか。「おしゃぶりをちょうだい」といって泣いているとはかぎりません。「泣く」ということは赤ちゃんは何かを伝えたくて、そして誰かにそれを受け止めて欲しいということです。泣かせてはいけないのではなく、泣きやませなければならないのでもなく、こどもからの投げかけに応えて欲しいなと思います。
どうかふと手を止めて、抱き寄せて見つめてあげてください。「気持ち(心)」のストロークを「物(おしゃぶりやお菓子など)」のストロークで返されるとさみしいと思いませんか?
このやりとりでは、満たしてあげたのではなく、やはり誤魔化したことになってしまうのではないでしょうか。他の誰でもなく大切な人同士だからこそ、物ではなく、心を込めた触れ合いで応えてあげてほしいと思います。
そうでなければ、こどもは伝えてもわかってもらえない人には、伝えようとも表現しようともしなくなります。
こどもに泣かれると辛いですね。でも、きっといつしか、泣かないで思いを伝えてくれるときがきますよ。
( 答えた人:吉原 香織/助産婦)