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ぞうのみずあそび
「またびちゃびちゃで、ごめんね」 と言う割には、毎日水あそびの夏休み。
遊びにはそれぞれの好き好きがあるけれど、 水あそびの時だけは、庭から全員参加の嬉しそうな悲鳴が聞こえる。

そんなに好きならプールは? 近くの川は? と提案してみても、 すぐにホースからジャンプする水。そして時にはちいさな虹を見せてくれる 庭での遊びも、子どもたちは好きらしい。

それにしても、この絵本に出てくる動物達のキャラクターは、 庭に集う子どもたちの世界、そのものである。
「みずあそびしないかい?」と遊びに導く、ぞう。
「行きたくねえよおー?ぐだぐたしている、しまうま。
「きみがみんなを連れてってくれるんなら、行ってもいいよ」と、さる。
がんばって、背中にみんなを乗せて行ってしまう、ぞう。

やっと池に入ったと思えば、 「きみのみずあそびはおおつなみだよ」と、ぞうを岸に押し上げるライオン。
怒ったぞうは、池の水を“うんご、うんご”と飲み干して、 ザバザバザバザバ!!!
小さないざこざは絶えないけれど、水をかけられてみんなで大笑い・・・・ とでもいうようなアクシデントが、まーるく収めてしまうこともよくあるわけで。

庭にはいつしか、子どもたちがスコップで掘った池。 葉っぱにバッタを乗せて浮かべる子。 池のまわりに石を並べる子。 わざとらしく、落ちてみせる子。 いつしか暑さを忘れるほどに、 子どもたちの遊びは、別の遊びにつながっていく。

家の中では、この絵本で涼しさを感じよう。
ぞうの鼻から、ザバザバザバザバ・・・。
ぞうの優しさだけは、心にあったかいものを残すけど。

(文;森 ひろえ)

ぞうのみずあそび


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