おおきいツリー ちいさいツリー
ロバ−ト・バリー/作 光吉夏弥/訳 大日本図書 ¥1,404-
初めて「木」をしっかり見つめて驚いた赤ん坊の顔を、時々思い出すことがある。
木に宿る神々しいものを感じたのかと、私はあの時、ベビ−カ−を停めて、しばらく木と二人だけにしてあげたっけ。
その赤ん坊は、今ではクリスマスツリ−を見ると、手を合わせて拝む子どもに成長した。
・・・何度人に笑われようと。
ウィロビ−さんのお屋敷に届いた大きなクリスマスツリ−は、大広間に立てると、天井につかえて先が弓なりに曲がってしまった。
ちょんぎられたツリ−の先は、こま使いのアデレ−ドへ。
またつかえた部分はちょんぎられて・・・次々にちいさな動物の手に渡っていく。
ツリ−が届いた動物の家族は、みんな小躍りして喜び、自然にあるものの命を、自分の家に必要な分だけ、謙虚にいただくのだ。
大広間のおおきなツリ−の家にも、
屋根裏のちいさなツリ−の家にも、
クリスマスは同じようにやってくるはず・・・なんだけど。
メリ−クリスマス
(文;森 ひろえ)