サンタクロースと小人たち
マウリ・クンナス/作 稲垣美晴/訳 偕成社 ¥1,944-
何年前のクリスマスだったか。
この本を手にとったある男性が、これは子どもに見せるべきか、
今年は自分だけ読んで、子どもにサンタの国と暮らしを語ろうかと
悩んでいたのを思い出す。
結局その人がどうしたのかはわからないけれど、
そんな演出を考える人なら、
きっと素敵なクリスマスを過ごしたんだろうね。
子どものサンタに関する質問は、一度出たら止まらないから。
どうやってたくさんのおもちゃを? なぜトナカイが? なぜ煙突から?
「サンタは時間の魔術師で−す」といっても、謎は深まるばかりだ。
北欧の小さな村で、サンタと小人たちが、
どんな一年を過ごし、クリスマスのその日を迎えるか・・・。
全てのペ−ジの全ての小人が、生き生きとそれを語ってくれる。
せっかくの楽しい一日。
その家ならではの演出ができたらいいね。
11月のはじめに、欲しいおもちゃの絵を書いた手紙が、
朝なくなっていたのに息子はびっくり。
「きっとサンタさんが持っていったんだよねえ」
それを聞いたうちのサンタが「よしっ」と、何か考えたようだ。
12月になると、窓べに置いた手作りの赤いポストで、
息子とサンタの文通が始まるはずだ。
絵本の中にある、小人たちの楽しげな様子をみながら、
二人の間で、一体どんな言葉が飛びかうのやら。
(文;森 ひろえ)