おつきさまこんばんは
林明子/作 福音館書店 ¥864−
子どもにとって、世の中は不思議なことばかりだ。
なぜお日さまは山にバイバイするのか。
なぜ夜になると暗くなるのか。
暗くなると空に現れるあれは何なのか。
1歳頃、外で「お−つきさん」と私が言えば、息子が空をキョロキョロ。
お月さまを「ん−」と指さす遊びを毎日していた。
夜のドライブや散歩では、ずっと後をついてくるお月さんを
いつでも不思議そうにみつめていた。
そんな時に出会ったこの本は、寝る前の定番だったのだ。
暗くなった空。家のまわりの猫のシルエット・・・。
神々しくのぼってきたおつきさまが、伏せていた目をあけ、
「こんばんは」と言うと、
いつも息子は立ち上がり、深々と頭を下げた。
・・・そんな気持ちにさせてくれるものが、この本の中にある。
(文;森 ひろえ)