かばくんとおかあさん
かばくんとおとうさん
ひろかわさえこ/作 あかね書房 各¥1,080-
子どもは心に垣根がないから、
お話の主人公になりきって、絵本の中を旅することができるみたい。
犬になったり、鳥になったり‥‥
そして、「おしまい」と絵本を閉じてから、
ゆっくりとこちらの世界に戻ってくる。
でも、かばくんシリーズの中のこの2册は、
あまりに現実的すぎて、垣根がない状態(笑)。
家事で忙しいお母さんに「遊んでよお〜」としつこいかばくん。
いつまでもお母さんを追いかけるかばくんを見て、
息子は「これはボクだ‥‥」と思ったらしく、
「少しはひとりで遊んでよ」と言うお母さんを見て、
「これは私‥‥」と思ったのは、この私。
結局、洗濯物を干すお手伝いをして、
(早く終わったのかどうかはわからないけど)
2人のごきげんは元通り。
子育てって、こんなちいさな心の動きが毎日続く。
おしゃれしたお母さんが出掛けてしまった後、
まだ布団で“ぐーすーぴい”と寝ているお父さんの上に、
かばくんはジャーンプ!!
「うわっ」と起こされたお父さんを見て、
夫は「これはオレだ‥‥」と思ったらしい。(笑)
かばくんとお父さんは、おにぎり握って、
庭に作ったテントみたいなお家でお昼ごはん。
木にロープを結んでテントを作る、お父さんの得意気な顔。
シーツで作った屋根の下で、
おいしそうにおにぎりを頬ばる、かばくんの嬉しそうな顔。
こんな楽しい二人だけの休日になるなら、
私もおしゃれして、ひとりで出掛けてみたくなりますね(笑)。
(文;森 ひろえ)