ひ・み・つ
たばたせいいち作 童心社 ¥1,404-
7歳の甥は、毎年おばあちゃんの誕生日に、紙粘土に貝殻をはめこんだもの・・・などをプレゼントしているらしい。
私が帰省する度に、ふしぎな物体(芸術品?)が増えていく裁縫部屋。母はその中でいかにも幸せそうだ。
「おばあちゃんは、80歳のお誕生日に何がほしい?」とゆうきが手紙で尋ねると、おばあちゃんの返事には・・・「欲しいプレゼントは何もないの。
でも、おじいちゃんにもう一度会って、ダンスがしたい。
でも、おじいちゃん天国だもの。やっぱり、夢ね。」
“どうしたら天国のおじいちゃんに、大好きなおばあちゃんの願いが届くのか・・・”ゆうきは一生懸命考える。
そして星のお祭りの夜、夢かうつつか、おばあちゃんの目の前に・・・。
小さな子どもの願いが、夢とつながり、おばあちゃんに幸せな時間をもたらすのも素敵だけど、何より、先に逝ってしまった人を想い続けるおばあちゃんが、その気持ちを孫に伝える“ことば”がたまらない。
子どもには、できれば照れずに、ごまかさずに、パートナーへの想いを語りたい。
さて、どうやって語ろうか。
そのままの、自分だけのことばで。
(文;森 ひろえ)