へびくんのおさんぽ
いとうひろし/作 すずき出版 ¥1,188-
家の庭に子どもたちが集まると、気付けばスコップで掘られた穴。 みんなでペットボトルで水を運び、穴はちいさな泥の色した池になる。
次第に池から川になった次に活躍するのは、散歩の途中で持ってきた様々な形の木の枝だ。
それをさかんに川の上に橋のように並べ、石ころやドングリをわたして遊んでから、ついに自分が渡ろうとして橋が折れ、子どもの足はびちゃっと川の中。
庭に子どもたちの歓声があがる。
だから、この絵本を読んだ時、息子の目は輝いた。
雨上がり、道のまんなかにできた大きな水たまり。よいしょとわたろうとしたへびくんの後ろから 「せなかをわたらせてもらえませんか」の声。次々にボクもワタシもと、動物たちがへびくんのせなかをわたって行く。のどがかわいたへびくんは、水たまりの水を一気に飲み干して・・・。
次の日、ひからびた水たまりの後を見た息子、「へびくんが飲んでしまったんでないの? 昨日のあの水を」なるほど、こういう解釈は必要だ。
「きっと今ごろお腹がたっぷんたっぷんだね」と私。
たっぷんたっぷん、鼻からピューっと水を噴くへびくんの絵を思い出したのか、 息子は天に向かってゲラゲラ笑った。
(文;森 ひろえ)