ぼくはあるいたまっすぐまっすぐ
マーガレット・ワイズブラウン 坪井郁美/文 林明子/絵 ペンギン社
息子はおばあちゃんの家へ行くのが大好きだ。
広い家を走り回り、おいしいおやつを食べ、おばあちゃんの笑顔見たさに、おどけたまねをして笑わせる。
そんなおばあちゃんから、「まっすぐまっすぐ歩いてあそびにおいで」という電話がかかってくる場面で始まるこの本。
彼はすっかり、この物語の主人公になりきった。
この道をまっすぐまっすぐ行けば、おばあちゃんに会える。
読むときはいつも人指し指を出し、時々「まっしゅぐまっしゅぐ」とつぶやきながら自分も一緒に冒険に出かけようという訳だ。途中のちいさな出来事を一緒に考えながら、何度か家を間違えながら、やっとたどり着いたのは・・・いつものおばあちゃんの笑顔。
林明子さんの描く子どもの姿はもちろんなんだけど、たとえば、男の子の家の壁に、おばあちゃんの写真があり、おばあちゃんの家のテ−ブルの上に、男の子の写真がある・・・
そんな演出も、読む人を楽しませてくれる。
(文;森 ひろえ)