あっぷっぷ
中川ひろたか/文 村上康成/絵 ひかりのくに ¥950-
私が主催するサークルでの夏祭り。
アートバルーン釣りや輪投げなど、にぎやかなコーナーの片隅で、
静かに、静かに盛り上がっていたのが、「あっぷっぷ」のコーナーだ。
「そういえば‥‥にらめっこって、子どもとしたことなーい!」
と気がついたお母さん。
その横には彼女の小2の息子が、5歳の女の子を相手に、にらめっこの最中だ。
両者、顔を10センチほど近付けて・・・なかなかのもの。
でもただのにらみあいが5分も続くと、“うわー、疲れそー”と思い、
「はいっ、それでは今から、相手を笑わせるようなおもしろーい顔をしてみよう。
それあっぷっぷ!」とけしかけると、とたんに二人とも困惑した表情。
もう大人達は大爆笑なんだけど、子どもは至って真剣勝負。
舌出して、鼻の穴ふくらませ、目ひんむいても、どちらも笑い出すことなく、
ついに引き分けと相成った。
景品のアメも、仲良く1個ずつ。
この絵本の中では、ほんとにだるまさんがにらめっこしてくれる。
さるも、ぶたも、そしてお母さんも。
そして、「ぷははは、わらっちゃったあ」と、ちゃーんと負けてくれるんだ。
こどもの真剣な表情って、つい可愛くて「ぷぷぷ」と笑ってしまうことが
あるでしょう?
大人がちゃーんと向き合って、そして笑ってくれるから、
子どもはこのわらべうたが大好きなのかなあ。
(文;森 ひろえ)