appleさんへ | まゆ -- 2005/04/30 .. | ||
appleさん、4月中旬に“東京・神奈川の病院情報教えてください”のスレッドで質問を頂いたのにすぐに返事をしなくて本当にすみません。 実はET2週間後の判定で妊娠反応は確認されたもののhCG値が低く、少量ながら出血が続いて、化学的流産か最悪の場合子宮外妊娠かと精神的に追い詰められてました。少なくともまだ流産はしていないことは今日分かったのですが、正常妊娠なのか子宮外妊娠なのか、何が起こっているのかまだ分かりません。 来週のエコー(超音波検査)でもう少しはっきりしたことは分かると思うのですが、すみません、そんなわけですっかり失礼してしまいました。 私が分かる範囲で以下にお答えします。 どのようなものか? GnHRアゴニストもGnHRアンタゴニストもLHサージを抑える−すなわち早期排卵を防ぐ−目的で使用されます。 GnHRは視床下部で作られているホルモンでこれが脳下垂体に作用してFSHやLHを放出させます。GnHRアゴニストを連日投与すると最終的にはFSH、LHの放出が抑制されます。従って、GnHRアゴニストを用いたロングプロトコールでは卵胞を育てるのに必要なFSHを自分自身では全く出していなく、外から注射で入れているFSHに完全に依存して卵胞を育てることになります。 これに対してGnHRアンタゴニストは同様にFSH、LHの放出を抑制しますが、LH抑制の方が大きく、また投与を開始するのは卵胞が育ってきてLHが上がり始める頃からです。従って、注射のFSHだけでなく自分自身のFSHをも使いながら卵胞を育てることができるのです。 さらに、GnHRアゴニストはFSHに対する卵巣の反応性を弱める可能性が報告されています。これは定説にはまだなっていないと思いますし、非常に個人差があることのように思いますが、私はこのケースだったと思っています。つまり私の場合はアンタゴニストを用いることにより、卵巣の反応性を維持でき自分自身のFSHも利用できたために良い卵が採取できたのではないかと思います。 使用法? GnHRアゴニスト:日本で使用されているのはスプレキュアやナサニールのような点鼻薬だと思います。アメリカではLupuronという皮下注射薬が一般的だと思います。 GnHRアンタゴニスト:日本ではセロタイドという皮下注射薬が輸入されているように思います。アメリカではCetrorelixやGanirelixなどの皮下注射薬です。日本では自己注射は認められていないのでクリニックで注射してもらう形になると思いますが、注射する回数は3回から多くても6回程度だと思いますし、エコーで卵胞計測をする時期とも重なるのでそれほど負担ではないと思います。 .....長いので分けます。 |
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-- 2005/04/30.. | ||
一般的治療? あくまで私の印象ですが、アメリカでもFSHが低い場合にはGnHRアゴニストを用いたロングプロトコールが第一選択のような気がします。均一な卵が取れる可能性が高いというのが理由のようです。この方法で卵子がたくさん取れない場合、FSHが中程度上昇している場合、あるいは年齢が高い場合にはGnHRアゴニストを用いたショートプロトコールを考え、FSHが高い場合には最初からGnHRアンタゴニストを使用するような気がします。病院、医師によって考え方の違いはありますが、GnHRアゴニストはアメリカでは十分一般的な治療法と言えると思います。 ロングプロトコールでは殆ど反応せず、採卵もキャンセルになってしまった私ですが、アンタゴニストを用いた方法では1回目は8個採卵−8個正常受精、2回目は13個採卵−9個正常受精(1個は未熟卵、3個は多精子)できました。1回目のグレードは7分割G1が1個、6分割G1が2個、6分割G2が2個、5分割G1が2個、4分割G1が1個でした。2回目は8分割G1が4個、6分割G2が2個、4分割G1が2個、3分割G3が1個でした。私の病院では受精させるのは午後で受精後3日目の判定をするのは早朝なので7分割、6分割でもそんなには気にしないようです。実際、凍結するために午後まで培養した卵は朝6分割だったものが8分割になっていました。 ですから、もしappleさんがアゴニストを用いたプロトコールで期待するような結果が得られなかったのなら、是非是非、アンタゴニスト法を試してみてください。本当はこれで正常妊娠しました!と報告できるとよかったのですが、少なくとも早期妊娠までは私はたどり着けたわけですし、試してみる価値はあると思います。一緒に頑張りましょう! | |||