生まれたらすぐ「おっぱい」、出産は子育てのスタートです。妊娠中の今から知っておきたいおっぱいのこと。
協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室
妊娠中は、出産がいかにもゴールのように思われている方も多いと思います。けれど、お産した直後から、授乳がはじまります。
もちろんほとんどの人が、出産すれば母乳は出るものですが、赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、はじめての体験ですから、とまどうこともあるかもしれません。
授乳は、赤ちゃんとお母さんが、ダンスのステップを覚えるように慣れていくもの。最初からじょうずにできなくてもあたりまえなんです。
産後、4〜5日目くらいまでの母乳は、黄色がかったような色のおっぱいが出ます。これは初乳といって、白血球やタンパク質をたくさん含んだ免疫力のとくに強い濃いおっぱいです。そのあとに、白っぽい青みががったおっぱいに変わっていきます。
人間の母乳は、牛乳のように真っ白ではなく、青磁の陶器のような透き通った色をしています。
おっぱいは、産後、骨盤が閉じはじめる2〜3日後くらいから張ってくる人もいれば、4日目あたりから張ってくる人もいます。初日からおっぱいが出る人もいますが、それでも少量に過ぎません。おっぱいは、ゆっくりと準備を整えて少しづつ分泌しはじめるのが一般的です。
赤ちゃんはお弁当のような貯えをからだにもって生まれてきますから、生後2〜3日はおっぱいを飲まなくてもだいじょうぶ。自然はとってもうまくできているのです。
母乳には、赤ちゃんに必要な栄養素がたくさんつまっています。哺乳動物はそれぞれの赤ちゃんに合った母乳を分泌します。
牛には牛の、人間には人間の赤ちゃんに合った母乳がつくられているのです。
人間の母乳には酵素が含まれていて、母乳の脂肪を吸収しやすくしていますが、この酵素は粉ミルクには含まれていないものです。もちろん粉ミルクにも栄養はたくさん含まれていますが、タンパク質やビタミン、ミネラルなどを高率よく腸で吸収できるという点では母乳のほうがずっとすぐれています。
また、母乳には白血球や免疫グロブリンが含まれていて、赤ちゃんの免疫システムを強化する作用があります。とくに生後6ケ月までの母乳には、こうした免疫力の強いおっぱいが出て、赤ちゃんを病気から守ってくれているのです。
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