生まれたらすぐ「おっぱい」、出産は子育てのスタートです。妊娠中の今から知っておきたいおっぱいのこと。
協力:志村季世恵(取材当時)癒しの森治療院・整体療術室
産後、入院中の授乳のし方は産院によってさまざまです。授乳室で決められた時間にたくさんのお母さんたちが授乳をする施設もありますし、入院室で授乳するところもあります。母子同室の場合には、好きな時間に授乳をすることができます。
授乳室では、いろいろなお母さんや赤ちゃんがいますから、ほかの赤ちゃんが何ccおっぱいを飲んだのか気になるかもしれませんが、赤ちゃんにもそれぞれ個性があるので、生まれた直後から競争させることはありません。
母乳哺育をじょうずにスタートさせるためには、入院中のおっぱいケアは大切です。母乳哺育に力を入れている施設では、マッサージをしてくれたり、母子同室をすすめています。母乳哺育をしたいと考えるなら、出産施設を選ぶときに、母乳を推進している病産院(baby friendly Hospital)や母子同室が可能な施設を選ぶと、いつでも授乳ができます。
入院中、あるいは退院したあと、施設によってはおっぱいのケアを十分受けられないことがあるかもしれません。その場合、地域にはおっぱいケアをしている開業の助産師*さんがいますので、その方に相談されるといいと思います。おっぱいマッサージと授乳相談にのってくれます。
*地域の開業助産師の情報を知るには、babycomの助産師情報、または日本助産師会(www.midwife.or.jp/index.html)が参考になります。
授乳するときには、左右のおっぱいをバランスよく含ませるのがコツ。右を先に飲ませてから、左を飲ませた場合は、次の授乳ではかならず左からはじめるようにして、どちらもまんべんなく含ませるようにします。そのうちに癖ができて、やりやすいほう、やりにくいほうがわかってきますが、先に含ませるおっぱいのほうが出る勢いが強く、飲む量も多いので、やりやすいほうから先に含ませてばかりいると、左右のバランスが悪くなってしまいます。
産院によっては、左右10分10分とか、5分5分とかきっちり時間を決めて指導しているところがあるかもしれません。まじめなお母さんは、退院してからも、時計を見ながら授乳する人もいます。それが楽しみでやっているのならかまわないのですが、赤ちゃんの様子を見ていなかったり、自分の感覚を忘れて時間に支配されてしまっては、楽しいはずの授乳が仕事のようになってしまいます。自分の感覚を大事にしてください。
ただ、最初に含ませるおっぱいを4〜5分あげたら、もう片方は6〜7分あげるというような工夫はあっていいと思います。先に吸わせるおっぱいは、勢いよく飲んでくれますが、だんだん飲む勢いが落ちくるので、あとに含ませるほうを少し長めにします。
赤ちゃんが一心に吸いついていて、途中でおっぱいを変えるのはちょっとかわいそうと思うこともあるかもしれませんが、おっぱいの状態を考えると左右のバランスはとても大切。そんなときは、吸いついている乳輪のはしを下に押すようにすると、赤ちゃんの口に空気がはいって、乳首から離すことができます。
産院によっては、3時間おきに授乳時刻が決まっているところもありますが、すべての赤ちゃんが同じ時刻におっぱいを欲しがるかといえば、なかなかそういうわけにはいかないもの。
3時間ごとに、ゴクゴクおっぱいを飲む子もいるかもしれませんが、多くの赤ちゃんはきっちり時計を合わせた機械のようなリズムをもっているわけではありません。母と子がいっしょにいると、頻繁に欲しがる赤ちゃんもいます。でも、それがその赤ちゃんの自然なリズムなんです。
入院中は授乳時刻と時間が決まっている施設もたくさんありますが、母子同室の場合や退院してからは、いつでも好きな時刻に、好きな時間だけ含ませることができます。
1回の授乳時間には個人差があって、中にはずっと乳首をしゃぶったまま、だらだらと飲む子もいます。最初は飲んでいるのですが、途中からウトウトしはじめて、気がつくとまた口を動かす。おっぱいが嗜好品化して、おしゃぶりのようにいつも吸っていたいという子もいます。
でも、それでは母親が何もできなくなってしまいますから、互いのニーズのバランスをとることが大切。またあまり長い時間含ませていると、乳首の皮膚は弱いために切れてしまうことがあります。そんなときは時間を短くしてみてください。
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