妊娠への準備

産み時を考える-1


1.出産適齢期はあるのか
 ●高齢出産は増えている
 ●医学的、生理的にみた高齢出産のリスク
 ●キャリア女性が子をもつということ
 ●現在、そして今後の課題

2.産む、産まない

3.母は動物的な仕事だ




高齢出産は増えている

日本の女性たちは、あんまり子どもを生まなくなってきたし、産むにしても、そんなに若くして産もうと思う人は少なくなっている。戦前には10人以上、子を産んだ女性はごろごろいたし、終戦直後も全女性を平均しても、ひとりの女性が産む子どもの数は4人を下回らなかった。スゴイ!
それが今や、1.5人代。子どもが少なくなるはずだ。
結婚、出産が高齢化している、というのも子どもが少なくなった大きな理由のひとつ。20代前半の出産は、この20年で、半数以下に激減し、30代での出産が増えている。1979年には、初産のピーク年齢が26才だったのに、90年代に入ってからは27才になり、ふたり目以降の子を産む年齢のピークも、29才から30才に上がった。

80年代まで、日本では高齢出産が、なんと!30才以上とされていたんだけれど、あんまり高齢出産が多くなってきたのと、からだ(心も?)の年齢がかつてよりそんなに老化しなくなったということなのか、高齢出産と呼ぶのは35才以上にしましょう、ということになった。
(参考/『スーパーアドバイス』松峯澄寿美、原利夫監修 同文書院)

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高齢出産のパーセンテージは年々高くなっている。リスクが強調されがちだが、高齢出産でなければ得られない喜びやメリットもある。

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医学的、生理的にみた高齢出産のリスク

医学的にみると、高齢であることのマイナス面は、まず妊娠しにくくなること、そして流産の可能性が高くなることと言われている。
35才を過ぎると、月経が不順になりやすく、妊娠率は低下する。また、子宮筋腫や不妊などのリスクをかかえることが多くなるためと、染色体の異常の率が高くなるため、流産の可能性も高い。ダウン症などの染色体異常の率も高くなる。

そのほか、分娩時間が長くなる人が多くなる。これは、産道の柔軟性が年齢とともに少しずつ乏しくなってくるからなのだけれど、分娩時間はからだの若さプラス精神的な緊張感や頭の固執度にもよる。
36才の初産で、若い人よりずっと軽い、なんていう人もけっこういる。もちろん、年齢が若くても、いろいろなリスクで長い時間がかかる人もいる。何も心配せずに、スッポンと産めるのは、一説によると23才までとも言われている。これは、気持ちが素直で、何もこだわることなくからだを開けるということもたぶんに関係しているのではないかと、私は思う。今どき、23才以下で産む人のほうが少ないのだから、そういう意味では、ほとんどの人が、お産を軽くするために入念な準備が必要、ということになる。
高齢だから、分娩時間が長くかかることをやみくもに心配するより、長くかかるかもしれないことを覚悟しておく、という前向きな姿勢で望みたい。覚悟しておけば、それを回避するための準備を、妊娠中にしておくことができるだろう。

babycom「高齢出産という選択」データで見る高齢出産


キャリア女性が子をもつということ

結婚にしろ、妊娠、出産にしろ、適齢期は自分がそれを望んだときなんだけれど、まあ、妊娠にはどうやったって妊娠できない年齢(閉経後)という上限は、確かにある。しかし、子どもを育てることに関して言えば、本人にその気さえあれば、いくつになっても育てることはできる。

40才で妊娠したある女性は「仕事の上では、キャリアを積んできて、40才になって、やっと社会的にも一人前になったという感じがしている。そんな自分が、病院にいくと『出産する年齢として、40才というのはからだが衰えていますからね』と、女としておしまいのようなことを言われる。男性、女性ということを超えて、社会的にようやく一人前になった自分が、いきなり母性をもちだされ、母体として老けていると言われることに、自分の中のギャップを感じた」と言う。
あるいは、バリバリ働いている女性が、病院や保健所では、いきなり『お母さん』と呼ばれ、20才で妊娠した若い母親と同じ、子どものような扱いを受けて憤慨したというケースもある。
また、「今まで、自分なりに仕事をがんばってきたし、結婚やプライベートな生活も、好きに選択して自分たちなりに生きてきた。でも、妊娠して、病院に行ったら、自分の好きな出産方法や選択肢がほとんどない、ということに驚かされた」という人もいる。
こうしたことは、現在の医療のかかえている問題でもある。
医療というのは、福祉的要素が強いので、社会的な情勢には立ち遅れているのが実情だ。医学的には高齢出産として、リスクが多いと判断を下しても、それは確率の問題で、ひとりひとりの背景、生活観、考え方までを把握しきれない。医師としては何か起こった場合に楽観視はできないとして、念のために可能性を告げる。

しかし、年齢が高かったり、キャリアのある女性であればあるほど、医師を仕事人とみなし、彼なり彼女なりの仕事の仕方や、対応の仕方、考え方まで、見えてしまう。そういう女性たちが増えている、ということを医療者はまだ、配慮できていないのが現状だ。
また、こうした女性たちの要望は、地域格差や個人差も大きく、医療者側は大多数の、かわいい小羊のような何も疑問をもたない患者を相手にすることが日常のほとんどだから、現状をまだ把握しきれていないとも言える。
だいたい、子どもを産む女性が、こんなに男性と同じように都会で働いてきた経験が過去、なかったのだ。かつて、子どもをもってもなお働く女性たちというのは、自営だったり、農業だったり、看護婦だったり、美容師だったりと、家内業か、あるいは実に女性的な仕事に従事していた。自営の場合には、子どもを仕事場に連れていくこともできるし、妊娠中も自分なりに時間を調節して働くことができた。女たちの、仕事場には、子どもの陰があった。

女が男並みに働くようになって、あるいは、出産の時期を自分の意思で選択できるようになって、妊娠や子育ては、本当に大きく変わろうとしている。


現在、そして今後の課題

子産み、子育てをひっくるめた上での男女平等ということは、どういうことなんだろう?
これは、女だけでなく、大きく男にもかかわってくる問題提議だ。
・妊娠中の仕事のこと、からだのこと
・家事、育児のかかわり方、仕事とのバランス
・産休、育休のとり方
・だれが子どもの世話をするか
こうしたことについて、babycomでは、多くの方々からのご意見をおまちしています。

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