ある朝ジジ・ジャンボウはおったまげた!?
ひらいたかこ/作 絵本館 ¥1,080-
朝起きたら、ジジ・ジャンボウのおちんちんがのびていた。おちんちんはベッドから床へ、ドアの外へ・・・。らせん階段を下りて町の中へ・・・。
ジジ・ジャンボウは、おちんちんを追いかけて、町の中をひたすら走っていく。
おまわりさんも、神父さんも、テレビのカメラマンまでやってきて、野次馬も一緒になって、町はもう大騒ぎだ。あっちこっちの窓から、驚いた人たちの顔がのぞく。「おーい ぼくのおちんちんやーい」
「いたずらばっかりしてるからさ ジジ」
という肉屋さんの言葉に息子は、
「いたずらするとこうなっちゃうの?」
ジジ・ジャンボウと同じような表情で私を見上げた。
寝る前に読む本を選んでいた時、
「ジジ・ジャンボウにしようか?」
と聞いてみると、息子は困った顔で言ったんだ。「寝る前はだめ。だって、こんな夢見るから。 おかあちゃんはちんちんないからいいけどさあ」
そう、おかあちゃんはちんちんないからわからないけど、ちんちんがのびるって、男の子にとっては、すごくこわいことなんだろうね。新聞紙をやぶってセロテープでつなぎ、ジジ・ジャンボウあそびを自分でしてたのに、急にこわくなって泣き出した。泣きながらまたこう言うんだ。「ねえ、おかあちゃんにおこられたら、ボクのちんちんものびるの?」
朝読めば、笑い話ですむからね。
・・・それでこの本は、朝、時々読むことにしたんだけど、焼きたてのパンや野菜を運ぶ人、洗濯物を干す人、お店の準備をしてる人。描かれている朝の風景もゆっくり楽しめる。
(文;森 ひろえ)